富士キメラ総研は、産業用ネットワーク関連製品およびサービスの、国内市場の調査結果を発表した。2021年度の同市場について、前年度比10.1%増の3284億円と見込んでおり、2025年度には2020年度比で45.4%増の4340億円に拡大すると予測している。
富士キメラ総研は2021年10月26日、産業用ネットワーク関連製品およびサービスの、国内市場の調査結果を発表した。2021年度の産業用ネットワーク関連製品およびサービス市場は、前年度比10.1%増の3284億円が見込まれる。
コロナ禍によるテレワークの普及などを受けて、スイッチや無線LAN関連機器の需要が増加したほか、工場やプラントなどでIoT(モノのインターネット)化に向けたネットワーク構築やDX(デジタルトランスフォーメーション)化などが進み、遠隔監視や産業用ネットワークへの需要が増えている。これらにより、同製品およびサービスの2025年度市場規模は、2020年度比で45.4%増の4340億円に拡大する見込みだ。
カテゴリー別では、産業用スイッチの2021年度見込みは前年比14.8%増の155億円と予測している。同市場は今後大きく成長すると見られ、2025年度予測では2020年度比66.7%増の225億円になる見込みだ。今後は製造業に加えて、鉄道や高速道路、変電所などでの需要も高まると見ている。
また、産業用ワイヤレス(無線LANアクセスポイント、無線LANコントローラー)市場も同様に拡大すると見られる。2021年度の同市場は前年比12.0%増の168億円と予測。今後は多品種小ロット生産に対応すべく、有線接続からワイヤレス接続への移行が増加するほか、製造業や物流業向けのロボットなどでの需要も高まるとして、2025年度は2020年度比72.7%増の259億円と予測する。
機器やセンサーを遠隔で監視、制御する目的で導入が進むIoTゲートウェイ、IoTルーターの2021年度市場は、前年比8.0%増の176億円と予測。今後は、製造業での生産設備をはじめ、エネルギー分野における産業機器や空調、エレベーター、交通インフラの車内監視、河川および山間部での災害時の監視など、広い分野で需要が高まると見られる。2023年度頃まではISDNや3G通信からLTE搭載モデルへの移行が進むといった要因もあり、2025年度の同市場を2020年度比45.4%増の237億円と予測している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.