三菱電機は、ソフトウェア設計子会社6社を経営統合し、グループ全体のソフトウェア設計の中核を担う新会社に再編する。2022年4月1日付で発足する新会社の社名は未定だが従業員数は約4700人の規模となる予定だ。
三菱電機は2021年10月19日、ソフトウェア設計子会社6社を経営統合し、グループ全体のソフトウェア設計の中核を担う新会社に再編すると発表した。2022年4月1日付で発足する新会社の社名は未定だが従業員数は約4700人の規模となる予定だ。
社会全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や顧客価値のデジタルシフトなどを背景に、三菱電機の事業領域におけるソフトウェアへの要求も高度化、複雑化している。そこで、2021年6月に発表した2021〜2025年度の中期経営計画に向けた経営基盤強化の一環として、ソフトウェアに関連するグループの総合力を発揮できる体制への変革を図るため新会社への経営統合を決めた。
今回経営統合されるのは、三菱電機コントロールソフトウェア、メルコ・パワー・システムズ、三菱電機マイコン機器ソフトウェア、三菱スペース・ソフトウェアと同社子会社の日本アドバンス・テクノロジー、三菱電機メカトロニクスソフトウェアの6社である(表1)。
社名 | 事業内容 | 本社所在地 | 売上高(2020年度) | 従業員数 | 事業所 |
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三菱電機コントロールソフトウェア | 各種制御システム・ソフトウェアの設計開発 | 神戸市中央区 | 264億円 | 1476人 | トータルソリューション(神戸)、名古屋、神戸、横浜、長崎、伊丹、姫路、三田 |
メルコ・パワー・システムズ | 情報制御システム、情報通信システムの設計開発 | 神戸製作所構内(神戸市兵庫区) | 60億円 | 282人 | 神戸、横浜、伊丹、名古屋 |
三菱電機マイコン機器ソフトウェア | 各種システム、ソフトウェア、LSI、ハードウェアの設計開 | 兵庫県尼崎市 | 103.4億円 | 779人 | 京都、名古屋、鎌倉、姫路 |
三菱スペース・ソフトウェア | 宇宙、防衛、通信、航空などのシステムの設計開発 | 東京都港区 | 270億円 | 943人 | つくば、鎌倉、尼崎、名古屋 |
日本アドバンス・テクノロジー | 宇宙/航空、防衛、情報通信などのシステムの設計開発 | 東京都港区 | 23.6億円 | 263人 | 鎌倉、つくば、尼崎 |
三菱電機メカトロニクスソフトウェア | 生産ラインの自動化装置やエレベーター、ビル管理システム、空調機など電子メカトロ機器のシステムの設計開発 | 名古屋市中区 | 167億円 | 1308人 | 名古屋、稲沢、静岡、和歌山、東京、札幌 |
表1 経営統合される6社の概要 |
再編の狙いは3つある。1つ目はソフトウェアに関する技術・知見の結集だ。各社がそれぞれの事業を通じて培ってきたソフトウェアに関する技術・知見の結集に伴って、技術の共有化、設計プロセスや品質管理・プロジェクトマネジメント手法の標準化などによる生産性と高品質も追求する。
2つ目は、戦略的な新技術の探索・導入加速とソフトウェア人材の強化である。クラウドやAI(人工知能)、画像処理、セキュリティなどのソフトウェア先進技術領域における最新技術の探索と導入加速、統合ソリューションへの適用拡大を進め、技術者教育プログラム拡充による人材育成、全国レベルでのリクルート体制整備も行う。
3つ目は、グループとしての事業推進体制強化だ。社会インフラ、宇宙・防衛、自動車機器、空調機器、FAシステムなどの事業領域に対応する組織体制への再編により、2021〜2025年度の中期経営計画で掲げた重点事業の競争力強化と高付加価値化につなげるとともに、ライフ、インダストリー、インフラ、モビリティの4つの領域における社会課題解決への貢献を目指す。新会社は経営統合後、社会インフラ、モビリティ、電子システム、ライフ・インダストリーの4部門に再編される予定である。
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