AnsysはAppleと協業し、Made For iPhone(MFi)プログラムに基づきMagSafeモジュールを開発するサードパーティー向けに、クラウドベースのRF安全性試験シミュレーションソリューションを新たに開発した。
Ansysは2021年10月6日(米国時間)、Appleと協業し、Made For iPhone(MFi)プログラムに基づきMagSafeモジュールを開発するサードパーティー向けに、クラウドベースのRF(Radio Frequency:高周波)安全性試験シミュレーションソリューションを新たに開発したことを発表した。
MFiプログラムとは、Appleが「iPhone」のアクセサリーなどを開発するサードパーティー向けに実施する認証制度のことで、Appleが要求する性能基準を満たす製品にのみ、MFiのロゴ表示が認められている。開発者は、同プログラムを利用することで、必要な技術仕様とリソースにアクセスでき、MFi技術とコンポーネントを用いて、Apple製デバイスと通信するアクセサリーの開発が行える。
MagSafeは「iPhone 12」以降に導入されたマグネットを使用したワイヤレス充電システムのことで、iPhoneの本体背面にMagSafe対応充電器を装着して充電を行う。MagSafeモジュールを開発するサードパーティーのエンジニアは、MFiプログラムを通じて、Appleが持つシミュレーションに関する専門知識などにアクセスでき、安全で信頼性の高い製品を、確実かつ迅速に市場投入できる。
Ansysは今回の協業により、HFSS電磁界ソルバーを活用したスケーラブルなクラウドベースのソリューションを開発。これにより、MFiプログラムに基づきMagSafeモジュールを開発するサードパーティーは、SAR(Specific Absorption Rate:比吸収率)や電界のピーク対平均比、磁場分布などの認証取得がスムーズに行え、市場投入までの期間を短縮できる。また、物理的なプロトタイプ製作や高価なRF安全認証ソフトウェアの利用が不要となり、コスト削減にもつなげられる。
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