システムインテグレーションモデルは、キヤノンITソリューションズがこれまでコア事業として展開してきたSI(システムインテグレーション)事業である。ただ、今後はシステム要件に従ってシステム構築や運用を進めるだけでなく、顧客課題を理解した上で最適なシステムの利用環境を提供するよう努めるとしている。
サービス提供モデルは各種法規制への対応、製造原価の見える化など業界業種に共通した課題解決のためのサービス提供を目指すものである。キヤノンITソリューションズがSI事業を展開する中で蓄積してきたソリューション創出力を生かしていくという。
今後、3事業ともに人材強化を進める方針だ。2025年までにビジネス共創モデルで約5倍(2021年比、以下同)、システムインテグレーションモデルで約1.1倍、サービス提供モデルで約1.5倍の増員を目指す。
今後注力する市場領域としては「企業のデジタライゼーション」「開発革新」「デジタルデータの利活用」の3つを取り上げた。
企業のデジタライゼーションでは、ロジスティクスやエンジニアリングチェーン領域の業務デジタル化支援を行う。基幹業務トータルソリューション「AvantStage」などを活用することで、生産性の向上やEDI(Electronic Data Interchange)導入を進める。キヤノンITソリューションズが保有する数理最適化技術を活用して、物流環境の変化を予測するソリューションなどを開発していくという。
デジタルデータの利活用においては、業務高度化を目的としたAI(人工知能)技術や、教育機関向けのデータ活用ソリューション「in Campus」シリーズに新製品を取り入れるなどの取り組みを進めるとした。また、開発革新においては、ローコードプラットフォーム「WebPerformer」を通じた直感的なアイデアの具現化を支援するとともに、ライトアプリケーション開発に対応した「WebPerforCloud NEXT」の展開を新たに目指していくとする。
これらの取り組みを通じて、2025年までに全社売上を1.5倍(2021年比、以下同)、サービス提供モデルの売り上げを2倍にすることを目指す。
金澤氏は「当社のコアバリューは『お客さまに寄り添う心』『先進技術への挑戦魂』『最後までやり切る胆力』の3つにある。この“3つのDNA”に品質マネジメント力、付加価値を創出するプロフェッショナル人材が絡むことで当社の強みは形成されてきた。強みを生かして既存事業で得た原資を、拡大したい事業モデルに投資するサイクルを作ることで、共想共創カンパニーの実現に努める」と意気込みを語った。
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