パナソニック コネクティッドソリューションズ社は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会において、同社技術や製品がどのように活用されたかを紹介する説明会を開催した。
パナソニック コネクティッドソリューションズ(CNS)社は2021年10月5日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)において、同社技術や製品がどのように活用されたかを紹介する説明会を開催した。本稿では同社の取り組みの中で、映像、音響、放送機器に関連したものを取り上げて紹介する。
パナソニックグループはオリンピック・パラリンピック競技大会において、過去13大会にわたり協賛、貢献を行ってきた。1992年のバルセロナ大会(スペイン)でデジタル放送機材を納入したことを皮切りに、1998年の長野大会(日本)では競技場全天候型プロオーディオシステム「RAMSA」、2008年の北京大会(中国)では国際放送センターディスプレイ、2012年のロンドン大会(英国)では閉会式の演出用にプロジェクターを納入するなどの実績がある。
パナソニック CNS社 メディアエンターテインメント事業部 事業開発センター 所長の松原洋二郎氏は、特に映像/音響設備について、今回の東京2020大会では「高度な演出技術への期待」「東京2020大会ならではの現場/設置条件」「コロナ禍での運用」の3点に対応する必要があったと振り返る。
「高度な演出技術への期待」については、主に開会式などで演出として用いるプロジェクションマッピング技術に関する話題を取り上げた。東京2020大会では「(現時点で)世界最高輝度」(CNS社)である5万ルーメンの4Kプロジェクターを採用した。2016年のリオデジャネイロ大会(ブラジル)では2万ルーメンのプロジェクターを採用したが、これと比較すると映像の投影面積は1.7倍、単位面積当たりの照度は1.2倍に向上している。性能向上によって、会場への機器設置台数もリオデジャネイロ大会の110台から60台と約半分に削減できたという。
また松原氏は、「プロジェクションマッピングの演出中で、朝日が昇る様子を想起させるサンライズレッドが多用されるなど、赤系統の色が数多く使われる場面があった。当社のプロジェクターは独自の冷却コントロール技術を活用した赤色レーザーが搭載されており、美しい赤色を再現するのに役立った」と説明した。
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