キヤノンはVR映像撮影システム「EOS VR SYSTEM」を立ち上げ、180度VR映像を撮影できる専用のRFレンズ1機種と、映像制作を支援するPCソフトウェア2本を2021年12月下旬に発売すると発表した。
キヤノンは2021年10月6日、VR(仮想現実)映像撮影システム「EOS VR SYSTEM」を立ち上げ、180度VR映像を撮影できる専用のRFレンズ1機種と、映像制作を支援するPCソフトウェア2本を、同年12月下旬に発売すると発表した。
同社は、VRの活用がエンターテインメントや観光、教育などの幅広い分野に広がっていることを受け、レンズ交換式カメラ「EOSシリーズ」などで培ってきた光学技術を生かし、高画質な映像と効率的なワークフローを実現するEOS VR SYSTEMを立ち上げた。
EOS VR SYSTEMは、2020年7月発売のミラーレスカメラ「EOS R5」と、2つの魚眼レンズを備え、左右の視差を利用した3Dの180度VR映像を撮影できる専用RFレンズ「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」、映像制作を支援するPCソフトウェア(有償)で構成される。EOS R5には、2021年12月上旬公開予定のファームウェアの適用が必要となる。
RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEを、ミラーレスカメラのEOS R5に装着することで、8K相当の解像度を生かした没入感のある高精細な映像を出力できる。また、専用レンズのRF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEには特殊コーティング「SWC(Subwavelength Structure Coating)」が施されており、逆光時での撮影も快適に行えるという。
さらに、RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEの2眼レンズそれぞれから入射する光を、単一のCMOSセンサーを通じて記録できるため、撮影前のカメラ位置の調整や同期設定、スティッチ作業(撮影後に映像をつなぎ合わせる作業)が不要となり、効率的な映像制作ワークフローを実現する。
映像制作を支援するPCソフトウェアについては、ユーザーの制作環境に合わせて、「EOS VR Utility」と「Adobe Premiere Pro」専用プラグインの「EOS VR Plugin for Adobe Premiere Pro」の2つを用意する。いずれかのソフトウェアを用いることで、撮影映像のVR規格形式への変換から簡易的な編集までを行うことができる。
同社は、EOS VR SYSTEMの立ち上げを通じて、映像クリエイターや制作プロダクション、新たにVR映像撮影を始めたいと考えているユーザーまで幅広いニーズに応えていくとしている。
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