ソディックは、材料交換やメンテナンスなどの非稼働時間を大幅に削減できる金属3Dプリンタ「LPM325S」を発表した。材料交換作業の簡易化やヒューム回収能力の向上など、機能強化が図られており、長時間高速で安定した造形ができる。
ソディックは2021年9月16日、材料交換やメンテナンスなどの非稼働時間を大幅に削減できる金属3Dプリンタ「LPM325S」を発表した。同年10月より受注を開始する。標準価格は6600万円(税込)からで、年間12台の生産を目標とする。
一般的な金属3Dプリンタは、1台の機械に1種類の材料粉末で運用する。また、構造上、材料粉末の交換作業が煩雑だ。LPM325Sは、粉末を自動で供給、回収し、ふるいにかけるユニットMRS(Material Recycle System)を標準で装備。このMRSを付け替えるだけで、材料交換作業が2時間以内に完了する。従来の鉄系、SUS系の金属粉末に加え、アルミ、チタンにも対応可能になり、1台の設備で複数の粉末を運用できる。
定期メンテナンスでは、レーザー加工時に発生する金属蒸気の集積物(ヒューム)を除去した後、清掃が必要となる。LPM325Sは、稼働中にヒュームを回収するヒュームコレクタの性能を大幅にアップし、最適化した。これにより、ヒュームの除去や清掃の頻度をこれまでの約半分に削減する。メンテナンス作業時間が短縮するよう機械構造も最適化している。
オプションの「造形モニタリング」では、造形物の状態や稼働状態を常時監視し、造形異常の要因をモニタリングして、機械トラブルや造形不良を防止する。また、標準仕様のシングルレーザーで長時間、高品質の安定造形が可能だが、オプションの「デュアルレーザー」を搭載することで、品質はそのままに、従来機の2倍以上の速度で安定造形が可能になる。
さらに、造形物内部の残留応力を抑制する独自の特許技術「SRT工法」により、造形後の応力歪みを10分の1に抑える(同社の評価造形形状の場合)。
周辺機器を含む機械寸法は2160×2235×2240mmで、最大造形物寸法は250×250×250mm、最大積載質量は120kgとなっている。レーザーの最大出力は500W(デュアルレーザー搭載時は500W×2=1000W)だ。
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