NECは2021年9月3日、エネルギー関連事業を展開する連結子会社のNEC Energy Solutionについて、全株式をLG Energy Solutionに譲渡すると発表した。
NECは2021年9月3日、エネルギー関連事業を展開する100%子会社のNEC Energy Solutionsについて、全株式をLG Energy Solutionsに譲渡すると発表した。譲渡は各国の規制当局の承認など必要な手続きが完了した後、同年12月に完了する予定。
NEC Energy Solutionsは電力会社や企業向けの蓄電システムを提供する企業である。2014年6月に、中国の万向集団(Wanxiang Group)から、旧A123システムズ(A123 Systems)の電力会社向けおよび企業向け大規模/大容量蓄電システムのシステムインテグレーション(SI)事業部門であるA123 Energy Solutionsを買収し、NECのスマートエネルギー事業と統合して発足した。
本社所在地は米国マサチューセッツ州にあり、資本金は4億4900万米ドル(約493億円)。直近の業績は、2019年3月期が売上高7700万米ドル(約84億7000万円)、営業損失4310万米ドル(約47億5000万円)、2020年3月期が売上高1億5240万米ドル(約167億7000万円)、営業損失9100万米ドル(約100億1000万円)、2021年3月期が売上高2億730万米ドル(約228億1000万円)、営業損失5720万米ドル(約63億円)。売上高が増加する一方で大規模な損失を改善できていなかった。
昨今、蓄電システム市場は拡大している一方で市場競争が激化している。こうした状況下でNECは2020年6月、NEC Energy Solutionsの新規受注を停止して、契約済みのプロジェクト遂行と保守だけを継続することを決定した。その後、事業収束に向けたプロセスと並行して株式譲渡の選択肢を検討した結果、LG Energy Solutionsに決まったという。
なお、NEC Energy Solutionsが現在手掛けている国内での産業用小型蓄電池(ALMシリーズ)事業については、NECグループ内での事業継続を計画している。
株式譲渡先であるLG Energy SolutionsはLG化学の電池事業を引き継ぐ形で2020年12月に設立された100%子会社である。電気自動車、モビリティとITアプリケーション、蓄電システム向けのリチウムイオン電池事業を主な事業内容とする。
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