T-CiRAに2016〜2025年の10年間で総額200億円を出資する武田薬品工業にとっても、オリヅルセラピューティクスへの期待は大きい。T-CiRAでは、ヒトiPS細胞を用いた研究プロジェクトが多数進められており、患者の細胞を用いて病態生理を理解し適切な創薬に生かすiPS創薬の分野では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬の探索や、iPS細胞由来CAR(キメラ抗原受容体)遺伝子改変T細胞を用いたがん免疫細胞療法(iCART)などで成果が出始めている。
武田薬品工業は、T-CiRAの研究成果を事業化する際には自社での展開を優先する方針を示しており、がん、ニューロサイエンス、消化器、遺伝性希少疾患などは重点領域とされている。同社 T-CiRAディスカバリー ヘッドの梶井靖氏は「T-CiRAでは、多種多様な細胞とアプリケーションの研究が同時並行的に進められている。それらの相乗効果もあって、臨床応用が可能なプロジェクトが複数出ており、T-CiRAプログラムの5年目に至り、事業展開戦略を拡充すべきタイミングとなった。そして、心筋細胞と膵島細胞の研究成果を最もいい形で迅速に患者に届けるには、外部資金を活用した新会社の設立が必要だと判断した」と述べている。
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