帝国データバンクは、脱炭素社会に向けた企業への影響調査の結果を発表した。脱炭素社会の進展やEVの普及が、今後の自社事業に「プラスの影響」とする企業がそれぞれ1割超となった。
帝国データバンクは2021年7月26日、脱炭素社会実現に向けた取り組みによる企業への影響度合いの調査結果を発表した。脱炭素社会の進展や電気自動車(EV)の普及による影響度合いを尋ねたところ、「マイナスの影響」が生じると回答した企業の割合が、「プラスの影響」があると回答した企業をどちらも上回った。
今回の調査では、脱炭素社会の進展やEVの普及によって、今後どのような影響があるかを尋ねた。調査対象となったのは国内2万3737社で、その内有効回答を寄せた企業数は1万1109社だった。調査期間は2021年6月17日〜30日まで。
脱炭素社会の進展が自社に及ぼす影響を尋ねると、今後の自社事業に「プラスの影響」とする企業が回答社全体の14.8%、「マイナスの影響」とする企業が16.1%、「影響なし」が35.0%となった。
また、EVの普及が自社事業にどのような影響をもたらすかを尋ねると、「プラスの影響」が13.4%、「マイナスの影響」が14.9%、「影響なし」が40.7%となった。
どちらの質問に対しても「プラスの影響」があると回答した企業の中で、最も多かった業種は「電気・ガス・水道・熱供給」(脱炭素社会の進展45.0%、EVの普及40.0%)だった。一方で、「マイナスの影響」と回答した企業では、ガソリンスタンドを含む「専門商品小売」(同51.7%、同49.0%)が最も多かった。
また、政府は「総合イノベーション戦略 2020」などに基づきスマートシティ実現に向けた取り組みを推進しているが、どのような分野に興味や関心があるかについても調査した。
その結果、エネルギーや上下水、リサイクルなどを地域内で最適管理する「エネルギー、水、廃棄物分野」が42.7%(複数回答、以下同)で最も関心が高かった。次いで「防災分野」が32.8%で、「健康・医療・介護分野」が25.5%、「自動走行・自動配送分野」が25.4%、「金融分野」が20.0%と続いた。
なお、特に製造業においては、「エネルギー、水、廃棄物分野」への関心度合いが高く、同業界の50.0%の企業が興味を示していることが分かった。
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