検査アルゴリズムにAIを融合した、半導体ウエハー検査装置を本格販売FAニュース

東レエンジニアリングは、半導体ウエハー検査装置に「AI−ADC」を搭載した「INSPECTRA AI−ADC搭載タイプ」の本格販売を2021年8月から開始する。検査アルゴリズムにAIを融合している。

» 2021年08月04日 07時00分 公開
[MONOist]

 東レエンジニアリングは2021年7月14日、子会社のTASMITが、半導体ウエハー検査装置「INSPECTRA(インスペクトラ)」に「AI−ADC(Automatic Defect Classification、自動欠陥分類機能)」を搭載した、「INSPECTRA AI−ADC搭載タイプ」の本格販売を同年8月から開始すると発表した。2021年度50億円、2025年度90億円の販売目標を掲げる。

 AI−ADCは、エルピクセルがライフサイエンス分野向けに開発した、AI(人工知能)による画像分類技術を応用。同技術を東レエンジニアリングが工業分野向けに展開し、製品検査などに応用して、TASMITが光学式半導体ウエハー検査工程用に最適化したもので、検査アルゴリズムにAIを融合している。

 条件設定にAIによる事前分類機能と、検査条件作成フローの可視化ができる「自己組織化マップ(SOM)機能」を有しているため、手作業でする条件設定作業を減少させ、大幅に準備段階を効率化する。同条件下で、分類から条件作成までの所要時間を従来比で約6分の1に短縮できる。

 INSPECTRAのAIによる欠陥検査には、ランダムフォレスト方式を採用。約300項目に細分化した判定基準を用い、高感度、高精度な自動判定ができる。また、判定根拠が深層学習方式に比べて明確なことから、SOM機能と組み合わせ、過検出や誤判定が起こった際に精度向上に向けた調整が可能だ。

 一部の顧客に2020年より提案してきたが、今回、本格販売を決定。プロセス改善のためのキラー欠陥検出、過検出と見逃し抑制などの用途に向けて展開する。

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