COVID-19の世界的な感染拡大は、2020年以降の日本経済に大きな影響を及ぼした。実質GDP成長率の推移を確認すると、2020年第2四半期(4〜6月)においては前期比マイナス8.3%(年率マイナス29.3%)となっており、リーマンショック後の2009年を超える最大の落ち込みとなった(図1)。2020年第3四半期(7〜10月)には個人消費の持ち直しなどが寄与したことで前期比プラス5.3%(年率プラス22.8%)となったが、COVID-19の感染拡大による景気失速の懸念は引き続き存在する見込みで、内外の環境変化の影響に注視が必要だとしている。
企業の全般的な業況を示す日本銀行「全国企業短期経済観測調査」の業況判断DIを見ると、大企業においては、2020年第2四半期は11年ぶりの低水準となった他、中小企業においては、製造業・非製造業ともに大企業以上の悪化幅となった。2020年第3四半期に入ると、製造業・非製造業ともに改善したが、COVID-19の感染再拡大への懸念などにより、企業の景況感の慎重姿勢は今後も続くとみられている(図2)。
製造業の事業に影響する社会情勢の変化については「COVID-19の感染拡大」が約8割と最も多い。続いて「米中貿易摩擦」や「大規模な自然災害」「脱炭素・脱プラスチック等の環境規制」などさまざまな情勢の変化も挙げられている(図3)。
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