「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像
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» 2021年07月22日 12時00分 公開

スズキダイハツは脱炭素時代も「ゲタを極める」、大型車と軽の商用車連合でモビリティサービス(2/2 ページ)

[齊藤由希,MONOist]
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軽商用車向けのCASE技術は軽乗用車にも

 会見には、トヨタ 社長の豊田章男氏、スズキ 社長の鈴木俊宏氏、ダイハツ 社長の奥平総一郎氏、Commercial Japan Partnership Technologies 社長の中嶋裕樹氏(トヨタ CV Company Presidentのプレジデント)が出席した。

 Commercial Japan Partnership Technologiesは、中小型トラックやバンなどをターゲットにCASE対応の企画を行う。商用車ユーザーの困りごとや車両の役割を把握した上で5社で対応を検討し、具体的な開発につなげる。

 大型車に関しては、日野といすゞが組むことで日本のユーザーの8割をカバーできるため、台数規模を生かしながら自動車メーカーの垣根を越えて利用できるコネクテッド技術を開発する。また、電動化技術についても協力して車両コストの低減や実証実験、インフラの普及に取り組む考えで発足した。ただ、設立に当たって多かったのは「この枠組みに軽商用車は参加しないのか」(中嶋氏)という問い合わせだったという。

 トヨタ/日野/いすゞの共同出資会社への参加を決めた理由について、鈴木氏は「3社の会見を見て、物流拠点を結ぶだけでなく、物流拠点から最終的な届け先までを結び付けることで社会をより豊かにできるのではないかと考えた」と述べた。

 日本の物流事業者は6万社に上り、その70%が従業員20人以下の小規模事業者だ。スズキとダイハツがいすゞと日野のように連携することで、軽商用車ユーザーの現場の声をきめ細かく吸い上げる。また、技術やノウハウを持ち寄りながらADAS(先進運転支援システム)と電動車の開発に取り組む。開発リソースの効率的な活用も図る。

 軽商用車向けに開発した技術やサービスは、軽乗用車や大型の商用車、日本だけではなく海外にも広げる可能性があるという。「1つのきっかけとして商用車で始めるが、商用車はユーザーの困りごとが分かりやすい。軽商用車に限定するつもりはなく、広がりを持った取り組みになる」(鈴木氏)。

軽自動車らしさをCASEやカーボンニュートラルでも守る

 軽商用車は商用車全体の58%を占めており、法人だけでなく個人のユーザーからも根強いニーズがあるという。日本の自動車保有台数7800万台のうち軽自動車は3100万台で、軽商用車はさらにそのうちの800万台だ。豊田氏は「軽商用車は収益面だけを見ると非常に厳しいが、日本になくてはならないクルマだ」とコメントし、軽商用車も“CASE”に対応させて商品として存続させる重要性を指摘した。

 鈴木氏はCASE対応について「ゲタとしての軽自動車を極めなければならないが、軽自動車メーカーだけでは不可能な取り組みになる。今回のような協業の他、ユーザーやサプライヤーにも参加してもらって、バッテリーや充電などの課題も含めてゲタを極めていく」と語った。奥平氏は「軽自動車は日本に合ったクルマだ。カーボンニュートラルでも日本により添えるクルマだと思っている。小さく軽く安く、1ミリ、1グラム、1円にこだわってきたが、それを将来も続けていかなければならない。CASE技術はどうしてもコストがかさむ。協力して取り組むことで解決する道を探ろうと決めた」と述べた。

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