現品管理業務の機能を要約すると以下のような業務を行う必要があります。
部品の払い出し業務の主たるものは、生産計画に基づく組立工程への部品チャージ(投入)ですが、これを生産計画通りに遂行するためには、あらかじめチャージする前に、進行管理担当者がアクションできるだけの余裕をみて、必要とする部品をチェックして、「全ての部品がそろっているか」「所定の数量はあるか」を確認し、不足が生じた場合は直ちに、進行管理担当者に連絡しなければなりません。
現品管理は、材料や購入部品の受け入れ業務に始まり、各工程での物品管理、それに関連する業務における管理など、実に多くの業務が発生します。管理精度を上げるほど、スムーズな生産体制を実現することができます。その一方で、これらの事務作業も含めた作業を改善して、効率的な作業体制の構築にも取り組んでいかなければなりません。
出庫は、一般的に、部品や材料、治工具、計測器具などの出庫を指示するもので、作業者や工程管理担当者、あるいは運搬担当者が出庫伝票を倉庫管理担当者に示して、所定の素材部品、治工具、計測器などを所要の数量だけ受け取ってくることを指します。出庫伝票には、製品の品名、製番、出庫先、部品または材料名や器具名、出庫数量(材料の場合には材質、寸法、形状、重量)などが記載されています。不良発生や何らかの不具合のために数量不足になった場合は、代替品の出庫のため追加出庫伝票を作成して出庫されなければなりません。また、使用残品があった場合には、戻し入れ伝票とともに倉庫に返します。このようにして指示された数量と実際使用数量が記入され、現物管理および原価管理への情報として反映されます。
支給品出庫とは、外部へ発注する際の外注先に加工や組立に必要な材料や部品などを自社倉庫から出庫して支給することをいいます。
出庫指示書や流用出庫指示書などによるチャージ指示書で出庫した後で、何らかの理由で出庫した部品が全部使用されず、一部残る場合があります。これらの部品を放置すると、現品の粉失、破損につながってしまう場合が多いので、何らかの帳票と現品と一緒に、確実に所定の倉庫へ戻し入れの処置をとる必要があります。一般的には、その手続は以下の方法で行います。
計画変更による組み残し品については、基本的には上記の手続きに準じますが、原則として、製造番号または受注番号で管理する製番管理品については予備品を認めていない場合が多くあります。従って、不良品が発生すれば必ず組み残し品が発生します。
このうち少量多品種製品については、納期も迫っている場合がほとんどで、早急に組立チャージを行わなければならないことが多くあります。また、製番管理品の保管は、件数も多いので組み残し品管理票を用いて注意を喚起し、現品が散らばって紛失してしまわないように防止する方策を行わなければなりません。
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