フィギュア向け「肌表現」技術、3Dプリンタで皮膚と内部の2重構造を再現3Dプリンタニュース

B´fullは、純国産フィギュアブランド「B´full FOTS JAPAN」で、フィギュアの肌を美しく見せる「肌表現」を開発した。皮膚部分と内側部分の2層構造にし、塗装では難しかった、光に感応する美肌を表現できる。

» 2021年06月21日 13時00分 公開
[MONOist]

 B´fullは2021年6月8日、純国産フィギュアブランド「B´full FOTS JAPAN(ビーフルフォトスジャパン)」で、フィギュアの肌を美しく見せる「肌表現」を開発したと発表した。塗装では難しかった、光に感応する美肌を表現できる。

 肌表現では、独自開発した光造形(SLA)方式3Dプリンタ用樹脂材料を使用。スケールフィギュアの表皮にあたる層と内側の層に分け、3Dプリンタで出力したパーツを色、厚さが異なる2層構造にした。これにより、外部の光を受けて内部の特殊調色樹脂が反射する際、肌部分を通ることで透明感を得られ、人肌の赤みを表現できる。また、影になる部分も、要所ごとに肌部分の厚さを変更することで忠実に表現する。

「肌表現」のイメージ 「肌表現」のイメージ。左が新技術によるもの(クリックで拡大) 出典:B´full

 金型で作成するPVC製部品は、内側が中空(肉抜き)構造となるため、塗装技術で肌の色合いや影部分を表現していた。新技術となる肌表現では、人体と同じく皮膚部分と内側部分の2層構造にし、未塗装状態でも光が透過して人肌のように自然な発色と透明感を表現できる。

「肌表現」の構成 「肌表現」の構成。左が新技術によるもの(クリックで拡大) 出典:B´full

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