「DX銘柄2021」グランプリに日立、Lumada事業が高評価製造マネジメントニュース

経済産業省は2021年6月7日、東京証券取引所と共同で「DX銘柄」を選定し、「DX銘柄2021」の選定企業28社と「DX注目企業2021」20社を発表した。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響に対する優れたデジタル対応の取り組みを実施した企業として「デジタル×コロナ対策企業」を11社選定した。

» 2021年06月08日 09時00分 公開
[池谷翼MONOist]

 経済産業省は2021年6月7日、東京証券取引所と共同で「デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄」を選定し、「DX銘柄2021」の28社と「DX注目企業2021」20社を発表した。さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に対する優れたデジタル対応の取り組みを実施した企業として「デジタル×コロナ対策企業」を11社選定した。

DX銘柄2021に28社を選定

 DX銘柄は東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値向上につながるDXを実践して、そのための仕組みづくりを行い、デジタル活用の実績が表れている企業を幅広い業界から選定して紹介するものである。単なる優れた情報システムの導入やデータ利活用だけでなく、デジタル技術を前提としたビジネスモデルの変革と経営変革に取り組んでいる企業を選ぶ。

 今回の審査では、DXに取り組む経営者の基本指針などを記載した経済産業省の「デジタルガバナンス・コード」に基づいて、既存ビジネスの深化や、新規ビジネスモデル創出の実績、DXの実現能力などが大きな評価ポイントになったという。

 DX銘柄2021に選定された企業は、清水建設、アサヒグループホールディングス、SREホールディングス、旭化成、中外製薬、出光興産、ブリヂストン、JFEホールディングス、小松製作所、日立製作所(以下、日立)、NEC、ヤマハ発動機、トプコン、凸版印刷、東日本旅客鉄道、SGホールディングス、日本郵船、日本航空、ソフトバンク、トラスコ中山、セブン&アイ・ホールディングス、日本瓦斯、りそなホールディングス、東海東京フィナンシャル・ホールディングス、MS&ADインシュランスグループホールディングス、東京センチュリー、GA technologies、ベネッセホールディングスの28社である。

 また、DX銘柄の中でも特に優れた取り組みを行った企業は、「DXグランプリ2021」に選定される。今回は日立製作所と、ソニーグループ傘下で不動産事業などを手掛けるSREホールディングスが選ばれた。

 日立は顧客との協創に基づくデジタルソリューション群「Lumada」を活用したソリューション事業を展開している他、グローバル規模でDX事業を推進している。また自社工場である大みか工場は、IoT(モノのインターネット)技術やデータ分析手法を開発して、開発、設計から運用保守までを全体最適化する取り組みなどが評価されて、世界経済フォーラム(WEF)によって世界でも先進的な工場として「Lighthouse(ライトハウス)」に選出された実績もある。このほか、Lumadaのパッケージ化と検証、導入を実現するプラットフォーム「Lumada Solution Hub」、オープンイノベーション創出につなげるパートナー制度「Lumada アライアンスプログラム」などを展開して、社会全体でのDXを加速するエコシステム構築に取り組んでいる。

 このように、Lumadaを活用して新規ビジネス創出に取り組んでいる点や、グローバルでのDX推進に向けた戦略、基盤構築などを行っている点、顧客と協創してDX実現に取り組んでいる点が評価されてDXグランプリ2021受賞に至ったという。

「デジタル×コロナ対策企業」も選定

 この他、DX銘柄2021に選定されていない企業の中から、注目すべき取り組みを行っている企業として「DX注目企業2021」が選定されている。選ばれた企業は、日清食品ホールディングス、ワコールホールディングス、ユニ・チャーム、大日本住友製薬、AGC、三菱重工業、富士通、大阪瓦斯、ANAホールディングス、日本電信電話、三井物産、住友商事、Hamee、三井住友フィナンシャルグループ、大和証券グループ本社、SBIインシュアランスグループ、SOMPOホールディングス、リコーリース、三菱地所、ユナイテッドの20社である。

 加えて、DX銘柄2021に応募した企業からCOVID-19への対応に関して優れた取り組みを実施した企業を「デジタル×コロナ対策企業」として、「製造・物流戦略部門」「カスタマーケア部門」「業務効率化部門」「レジリエンス部門」の4部門でそれぞれ選定した。選ばれた企業は、製造・物流戦略部門ではヤマトホールディングスとアスクル、カスタマーケア部門では資生堂、コニカミノルタ、東急不動産ホールディングス、業務効率化部門では大和証券グループ本社、東京海上ホールディングス、レジリエンス部門ではサントリー食品インターナショナル、NEC、アステリア、三井不動産の11社となった。

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