ニコンは、オーストリアのbionic surface technologiesと、リブレット加工技術における戦略的共同開発契約を締結した。光加工機を利用した、リブレット加工の受託サービスの提供も開始する。
ニコンは2021年5月11日、オーストリアのbionic surface technologies(BST)と、リブレット加工技術における戦略的共同開発契約を締結したと発表した。
リブレット加工は、バイオミメティクス(生物模倣)の考え方を取り入れ、レーザーと微細加工技術を活用し、サメ肌の表面形状のような微細かつ周期的な溝を施す加工だ。流体の抵抗を低減して、エネルギー効率を向上できる。
BSTは、高度な計算流体力学(CFD)による独自のシミュレーション技術を用いて、構造物に最適なリブレット形状を提案している。今回の提携により、同社のシミュレーション技術とニコン独自の光加工技術を融合させ、幅広い分野に対するリブレット加工によるソリューション提供が可能になる。
ニコンは、リブレット加工を施したガスタービンユニットの評価試験を実施し、加工前と比較して、圧力損失が約7%減少することを確認している。こうした表面加工により、システムの効率向上や燃費改善、CO2削減などが期待できるという。
また、ニコンが独自開発した光加工機を利用し、子会社の仙台ニコンでリブレット加工の受託サービスを提供開始する。加工は、家電用の小型部品からジェットエンジンのファンブレードなどの大型構造物まで対応する。
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