5Gで2500km離れたグアム島の車両を遠隔操縦、ソニーとNTTドコモが実証で製造ITニュース

ソニーとNTTドコモは2021年3月24日、米国領グアム島に設置したエンタテインメント車両を約2500km離れた東京から5Gを活用して遠隔操作をする実証実験に成功したと発表した。

» 2021年03月25日 09時00分 公開
[MONOist]

 ソニーとNTTドコモは2021年3月24日、米国領グアム島に設置したエンタテインメント車両を約2500km離れた東京から5Gを活用して遠隔操作をする実証実験に成功したと発表した。

photo 実証実験の様子 出典:ソニー

 今回の実証実験では、5Gの低遅延、大容量、高速の特徴を生かし、リアルタイムで車両の周囲の映像を都内にあるソニーの開発拠点に伝送して操作を行った。通信には、NTTドコモの100%子会社であるドコモパシフィック社の5Gを利用した。

 実証に利用した車両は、ソニーが開発したエンタテインメント車両Sociable Cart(ソーシャブルカート)「SC-1」で、ヤマハ発動機の自動運転技術とソニーの映像技術を融合させて2019年8月に発表されたものだ。

 「SC-1」は、車両前後左右に人の視覚能力を超えるイメージセンサーを搭載しており、360度全ての方向にフォーカスが合わせられた映像を車内のディスプレイに映し出すことで、車両周囲の環境を一度に把握できる。また、搭載したイメージセンサーの高い感度と内部に設置されたディスプレイの高い解像度により、昼夜を問わずライトなしで車両周囲を認識しながら運転できる。今回はこの「SC-1」の特徴と、5Gの特徴を組み合わせて遠隔操縦を実現した。この実験はグアムの検証用屋外施設において、乗客を乗せた状態で行った。

 ソニーは「SC-1」を利用したクルージングサービスを国内で展開しており、今後「移動を楽しくする」サービスを拡充し、新たな領域拡大に取り組む考えだ。一方、NTTドコモでは、実証実験で得られた成果を生かし、海外での新たな旅行体験や移動体験の創出などエンタテインメント分野での価値創出を進めると共に、働き方改革などへの活用を検討する。

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