ダイキン工業は2021年3月1日、空気中のウイルスや菌の抑制効果がある深紫外線を照射する「UVC LED」ユニットを業界で初めて搭載した「UVストリーマ空気清浄機」を同年4月26日に発売すると発表。UVC LEDを搭載した空気清浄機は「業界初」(ダイキン)だという。
ダイキン工業は2021年3月1日、空気中のウイルスや菌の抑制効果がある深紫外線を照射する「UVC LED」ユニットを「業界で初めて」(ダイキン工業)搭載した「UVストリーマ空気清浄機」を同年4月26日に発売すると発表した。主に飲食店など業務用途での需要取り込みを狙う。価格は税込みで15万4000円。
本体サイズは27×27×50cmと「コンパクトな設計」(ダイキン工業)となっている。本体下部正面と下部左右に吸気口を設けることで、壁際に設置しても高い吸い込み効果が得やすく、狭い空間での設置にも適する。最大風量は1分間当たり5.0m3。
UVストリーマ空気清浄機の最大の特徴は、紫外線の中でも除菌作用の高い波長265nmの深紫外線を照射できるUVC LEDユニットを空気清浄機内に設置した点にある。265nmの波長はDNAに吸収されやすく、菌やウイルスの短時間での抑制を可能にする。
抗菌剤を塗布した新開発の集じんフィルター「抗菌HEPAフィルター」で空気中のウイルスを捕捉して、そこにUVC LEDを90分ごとに自動で照射する。空気清浄機本体前面パネルから手動で照射することも可能。ダイキンの独自技術である、ストリーマ放電を利用した有害物質の酸化分解手法「ストリーマ技術」と併せることで、ウイルスを30分で99%以上を抑制し、菌については現行機の約10倍の速度で抑制するという。
UVC LEDユニットには、旭化成のグループ会社である米国のCrystal ISが販売する高出力UVC LED「Klaran」を採用した。ダイキン工業 空調生産本部 商品開発エグゼクティブリーダー主席技師の小泉淳氏は「現在の市場ではウイルスや菌に対して有効な性能を持つUVC LEDユニットはまだ少ないが、その中でKlaranは十分な性能を有していると判断して採用に至った」と説明する。
専用のスマートフォンアプリを使用することで、空気清浄機本体の操作を行える他、運転状況などを遠隔から把握可能。複数台の空気清浄機のON/OFFを一括で切り替えることもできる。今後はダイキン製のエアコンや換気機器との連携機能などを持たせる予定もある。
設計上の工夫点として小泉氏は、菌やウイルスだけでなく人体にも有害である深紫外線が機外に照射されないようにするための安全設計を挙げた。「気流の吹き出しグリルは、直進性の高い深紫外線を遮断しつつ空気の流れを損なわずに済む構造に仕上げた。また、メンテナンス時に開閉する扉は、紫外線出力と直結させた安全保護スイッチを搭載して、扉を開くと自動的に深紫外線の照射を停止する仕組みにしている。深紫外線を照射するユニットを搭載した商品に対する国際規格に適合するように安全設計を行った」(小泉氏)。
現在、コロナ禍などを背景に空気清浄機市場は民間向け、業務向けを問わず急速に拡大している。ダイキンはUVストリーマ空気清浄機を皮切りに、UVC LEDユニットを搭載した空調製品を今後も展開していく予定だという。
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