米国はバイデン政権へ移行、医療機器のイノベーション支援策はどうなるのか:海外医療技術トレンド(67)(2/3 ページ)
CDRHは、2020年10月16日、2021会計年度に発行を計画している各種ガイダンスの一覧表および優先順位を示した「2021会計年度CDRHガイダンス提案」を公表した(関連情報)。ガイダンス発行の優先順位については、以下の3つのリストに分類されている。
- Aリスト:FDAが2021会計年度中に発行したい優先的な機器ガイダンス文書
- Bリスト:リソースが許せば、FDAが2021会計年度中に発行したい機器ガイダンス文書
- 後ろ向きレビューリスト:1981年、1991年、2001年、2011年に発行された最終版ガイダンス文書
Aリストの中で、2021会計年度内に最終版を発行するとしたトピックには、以下のようなものがある。
- 手術用ステープラー
- 医療機器向けのより安全な技術プログラム
- 臨床意思決定支援ソフトウェア
- 安全性とパフォーマンスに基づくパスウェイ導入向け機器固有基準ガイダンス
- 腹腔鏡下細切除器向け製品表示
また、2021会計年度内にガイダンス文書草案を発行するとしたトピックには、以下のようなものがある。
- 連邦食品医薬品化粧品法第522条に基づく市販後調査
- 市販前承認適用令によって示された承認後研究の取扱手順
- 製造および品質システムソフトウェア向けコンピュータソフトウェアの保証
- 医療機器の再製造
- 品質自主改善プログラム向けのケース
- 安全性とパフォーマンスに基づくパスウェイ導入向け機器固有基準ガイダンス
- COVID-19公衆衛生緊急期間中の法執行ポリシーまたは緊急使用許可(EUA)に基づいて流通された医療機器の移行計画
- 医療機器のサイバーセキュリティ管理に関わる承認申請手続きの内容
- 機器固有識別:特定のクラスI機器向けグローバル医療機器固有識別データベース(GUDID)提出要求事項に関するポリシー
- 医療機器不足 - 連邦食品医薬品化粧品法第506J条の導入
- 医療機器に含まれるソフトウェアに関わる承認申請手続きの内容
- 市販前通知(510(k))提出向け電子提出テンプレート
なお、21世紀医療法の新規領域として位置付けられたデジタルヘルスに関しては、2020年9月22日、CDRH傘下にデジタルヘルス・センター・オブ・エクセレンスが設置され、以下のようなサービス機能を提供している(関連情報)。
- デジタルヘルス政策・技術の支援とトレーニング
- 医療機器サイバーセキュリティ
- AI(人工知能)/機械学習
- レギュラトリーサイエンスの進化
- 規制レビューの支援と調整
- 先進的製造
- リアルワールドエビデンスと先進的な臨床研究
- 規制イノベーション
- 戦略的パートナーシップ
トランプ政権下の代表的なデジタルヘルス関連活動事例として、サイバーセキュリティ、デジタルヘルスソフトウェア事前認証(Pre-Cert)パイロットプログラム、AIや機械学習機能を有するソフトウェア・アズ・ア・メディカル・デバイス(SaMD)、モバイルヘルス機器、医療機器として使用されるウェアラブルなどが挙げられているが、これらの経験/ナレッジが、次期バイデン政権にどのような形で引き継がれるかが注目される。
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