ダイハツ工業の9月単月のグローバル生産台数は、前年同月比4.9%減の14万7388台と7カ月連続で減少したものの、減少幅は8月から16.8ポイント改善した。中でも国内生産が好調で、同9.5%増の9万1818台と6カ月ぶりに増加へ転じるとともに、全ての月を通じて単月の過去最高記録を更新した。軽自動車は同4.9%減となったものの、登録車は「ロッキー」とトヨタ向けにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する「ライズ」の小型SUV兄弟が好調な他、「トール」及びトヨタ向けOEM供給する「ルーミー」のマイナーチェンジ効果により同49.0%増と大幅に増え、9月の過去最高を更新した。
国内が好調な一方で、海外の低迷は続いている。海外生産は同21.8%減の5万5570台と7カ月連で減少。中でもインドネシアが同42.2%減と市場回復が遅れている。ただ、海外生産としては8月から19.9ポイント回復した。
2020年度上期のグローバル生産も、前年同期比33.8%減の56万2055台と2年ぶりに前年実績を下回った。国内は同13.9%減の39万8733台と2年ぶりのマイナス。新車市場の低迷で軽自動車が伸び悩んだものの、登録車はロッキー/ライズ効果で同19.3%増と伸長し、年度上期の過去最高を更新した。海外はインドネシア、マレーシアともに大きく落ち込み同57.7%減の16万3322台と2年ぶりに減少した。
世界各地で自動車需要の回復が進む中、依然として低迷が続いているのが日産自動車と三菱自だ。9月単月のグローバル生産を見ると、日産が前年同月比20.0%減、三菱自に至っては同39.9%減と他社に大きく水をあけられている状況となっている。国内外ともに前年比2桁減で、日産は北米が同29.3%減、三菱自はアジアが同48.0%減とそれぞれが得意とする主要市場での苦戦が目立っている。比較的好調だった日産の中国生産も同0.5%減と2カ月連続で減少するなど伸び悩んでいる。
日産の2020年度上期のグローバル生産台数は、前年同期比36.7%減の154万4823台と3年連続で前年実績を下回った。世界的な販売不振による生産調整に加えて、COVID-19感染拡大による生産停止の影響が重なった。国内生産は同55.9%減の17万1961台で3年連続のマイナス。「ノート」や「セレナ」「エクストレイル」など登録車の販売が同37.0%減と低迷したことに加えて、輸出が同64.6%減と大幅に減少した。海外生産も同33.0%減の137万2862台と低迷し、3年連続の前年割れとなった。米国が同58.5%減、メキシコが同42.4%減、英国が同50.5%減と主力拠点がそろって台数を大きく落とした。唯一好調だったのが中国で、「アルティマ」や「シルフィ」などセダン系を中心に台数を伸ばした結果、同3.1%増と4〜9月として過去最高を更新した。
日産以上に深刻なのが三菱自で、2020年度上期のグローバル生産台数は、前年同期比58.3%減の27万6638台と2年連続のマイナスだった。8社のなかで、4〜9月が前年比半減以下となったのは三菱自のみで、台数でもスバルを下回り8社中最少となった。
このうち国内生産は同58.6%減の12万4423台で2年連続の前年割れ。国内販売では2020年3月にフルモデルチェンジした「eKスペース」のプラス効果はあったものの、「eKワゴン」が同66.6%減、「デリカD:5」が同57.5%減、「エクリプスクロス」が同70.9%減、「アウトランダーPHEV」が同65.7%減など、主力モデルが相次いで低迷。輸出も各国のロックダウンなどにより同73.3%減と振るわなかった。海外生産も同58.0%減の15万2215台と4年ぶりにマイナスへ転じた。アジアでのCOVID-19感染拡大による景気低迷により、主要拠点のタイが同58.6%減となった他、いち早く市場回復が進んだ中国も伸び悩み、同33.5%減と振るわなかった。
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