激動のモビリティ業界が今取り組むべき働き方/業務プロセス変革の方向性PTC Virtual DX Forum Japan 2020(2/2 ページ)

» 2020年09月24日 11時00分 公開
[八木沢篤MONOist]
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距離を意識しない販売・整備の実現

距離を意識しない販売・整備 距離を意識しない販売・整備 ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 また、次世代の働き方において、自動車の販売や整備の領域はどのように変化するのか。ここでも情報のデジタル化と人への提供を軸に、距離を意識させない販売および整備プロセスが実現できるという。このとき、キーとなるのが「デジタルマイスターHUB」という考え方で、これがリモートと現地の橋渡し役を担うことで、非接触での自動車販売/サービス提供を可能にするバーチャル店舗やバーチャルショールームの実現に寄与する。

 講演では、自動車の購入体験に付加価値をもたらすAR活用の事例として、日産自動車の高級ブランド「インフィニティ」の商談で実現したカスタマーエクスペリエンスの改善の取り組みを紹介。「インフィニティ QX50」に初めて搭載されたVCターボエンジンの原理や動作を分かりやすく顧客に伝えるために、対話型ARアプリケーションを開発し、ディーラーや展示会などでの商談で魅力的な購買体験を顧客に提供することができたという。

カスタマーエクスペリエンスの改善 カスタマーエクスペリエンスの改善 ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

ニューノーマル時代の働き方を支援するPTC

 これら事例を踏まえ、小笠原氏は「人と人、モノとモノ、人とモノをつなげ、距離をなくし、デジタルツインと呼ばれるフィジカルとバーチャルが融合された世界を築き、それらがあたかも同じ空間で仕事をしているかのような環境を作っていく。このさまざまな業務プロセスの連携をデジタルの力で支援する『デジタルパイプライン』の実現こそ、企業が早急に取り組むべきことだ」とし、その実現にはデジタルデータ、特に3Dデータの活用が不可欠であり、その活用こそがニューノーマル時代における新たな働き方を実現するための礎になるとの考えを示す。

設計・製造・保守の連携を支援するデジタルパイプライン 設計・製造・保守の連携を支援するデジタルパイプライン ※出典:PTCジャパン [クリックで拡大]

 PTCでは、設計、製造、保守など製品ライフサイクル全般に対して、3D CAD、PLM、IoT、ARなどさまざまなソリューションを提供し、デジタルによる価値提供を行っている。そして、今後さらに、そうした価値をより広く、柔軟に享受できるよう、PTCのあらゆるソリューションをSaaS(Software as a Service)型で提供していく「Atlasプラットフォーム」構想を掲げる。

 最後に小笠原氏は「デジタルとフィジカルの融合によるデジタルツインの世界を実現するためのテクノロジー要素である3D CAD、PLM、そしてIoT、ARを全てソリューション提供できる企業はPTCが唯一であり、モビリティ業界を含め、皆さまの未来の働き方を支援できるものと確信している」と述べ、講演を締めくくった。

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