LPWA無線マルチホップ技術を活用したデータ収集サービスの提供を開始製造ITニュース

東芝エネルギーシステムズは、「省電力無線IoTソリューション」を用いた、初のデータ収集サービスを開始した。これまでは収集が困難だった山間部の雨量、水位データを遠隔地から安定して収集し、提供する。

» 2020年09月11日 09時00分 公開
[MONOist]

 東芝エネルギーシステムズは2020年8月27日、「省電力無線IoTソリューション(LPIS)」を用いたデータ収集サービスを開始したと発表した。LPISは、LPWA省電力無線マルチホップ技術を活用し、携帯電波の届かない地域でも安定したデータ送信ができるソリューション。これを活用したサービス提供は初になるという。

 今回開始したサービスは、長野県大町市の中部山岳国立公園内にある4カ所の水位観測局、雨量観測局から、衛星電話サービスを介して同社本社にてデータを収集するもので、サブスクリプション方式で提供する。

 収集したデータは顧客に提供され、より効率的に発電するための解析などに役立てられる。これまで、対象となる観測局の多くは車両が通行できない山間部に点在しており、データを収集するために往復5〜6時間かけて徒歩で現地に赴く必要があった。

キャプション LPISのシステム構成イメージ(クリックで拡大) 出典:東芝エネルギーシステムズ

 サービス提供にあたり、約20台の中継器を設置し、総延長約4kmの無線ネットワークを構築した。国立公園内の環境に影響をおよぼさないよう、中継器は可搬型の自立ポールに設置する。

 また、落石や出水、雪崩などが発生して一部の中継器が停止した場合も、周辺の中継器で修復してデータを収集できる。各中継機の状況は同社事務所から遠隔で監視する。

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