R&Dの課題は「経営戦略と一貫性のある技術開発をいかに築くか」――CTO調査製造マネジメントニュース

日本能率協会は、「日本企業の研究・開発の取り組みに関する調査(CTO Survey 2020)」結果を発表した。研究・開発部門が重視する課題は「経営戦略・事業戦略との一貫性ある研究・開発テーマの設定」が最も多く、全体の54.1%を占めた。

» 2020年05月21日 09時00分 公開
[MONOist]

 日本能率協会は2020年4月21日、「日本企業の研究・開発の取り組みに関する調査(CTO Survey 2020)」結果を発表した。調査は、同年1月22日〜2月14日に、全国主要企業の研究、開発部門の責任者(CTO:最高技術責任者)を対象に実施した。

 同調査によると、研究・開発部門が重視する課題は「経営戦略・事業戦略との一貫性ある研究・開発テーマの設定」が最も多く、全体の54.1%を占めた。また、同部門へは「新事業開発への貢献」が求められているケースが多く、全体の約6割が当てはまると答えている。

キャプション 研究・開発部門で現在、特に重視している課題(クリックで拡大) 出典:日本能率協会
キャプション 研究・開発部門の状況(クリックで拡大) 出典:日本能率協会

 研究開発投資に関しては、「中長期的な競争力を維持していくためには十分ではない」とする企業が半数に達していた。一方で、「新規事業に関する商品・サービス開発」への研究開発投資については、約4割の企業が3年前と比較して増加していると回答している。

キャプション 中長期的な競争力を維持していくために十分な研究開発投資が行われているか 出典:日本能率協会
キャプション 研究開発投資について、3年前と比べた現在の状況(クリックで拡大) 出典:日本能率協会

 オープンイノベーションについては、成果を上げている企業と上げていない企業がそれぞれ38.1%、36.9%と拮抗する結果となった。社外の各機関との連携状況は、国内外ベンチャー企業や海外の大学、研究機関との連携に課題があるとした企業の比率が高かった。

キャプション オープンイノベーションの取り組みの成果状況(クリックで拡大) 出典:日本能率協会

 また、研究・開発での成果を高成果群、中成果群、低成果群に区分して比較した。高成果群では、中長期的な競争力を維持するための研究開発投資が十分である、研究・開発とマーケティングとの連携を重視しているなどの傾向が見られた。しかし中、低成果群では、それらが不十分であったり、あまり重視されておらず、高成果群との大きな差が見られた。

キャプション 競争力を維持していくために十分な研究開発投資が行われているか(成果群別の比較) 出典:日本能率協会

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