マツダも新型コロナウイルス感染症の影響が目立った。3月のグローバル生産台数は、前年同月比20.2%減の11万2388台と7カ月連続で減少した。国内生産は同17.6%減の7万4229台と大きく落とし、6カ月連続のマイナス。新型コロナウイルス感染症感染拡大による北米などでの需要縮小に対応して生産調整を行った結果、「マツダ3」や「CX-5」などの主力モデルが2桁減となった。海外生産も同24.8%減の3万8159台と2カ月連続で減少。中国は2月に比べて台数を戻しつつあるものの、メキシコやタイの生産停止などでマツダ3や「マツダ2」が前年同月比で半減した。
2019年度のグローバル生産台数は、前年度比8.6%減の143万4204台と2年連続の減少となった。国内生産は同3.8%減の97万1974台と3年ぶりのマイナス。フルモデルチェンジしたマツダ3が増加したほか新型車「CX-30」の純増などがあったものの、台数ボリュームの大きなCX-5の2桁減などが響いた。海外生産は同17.4%減の46万2230台で2年連続のマイナス。中国での販売低迷やマツダ3のモデル切り替えなどが影響した。
スズキは、2018年後半から続くインドの市場低迷が響いた。2019年度のグローバル生産台数は、前年度比12.6%減の296万6399台と4年ぶりの前年割れとなった。年度で300万台を下回ったのも2015年度以来4年ぶり。
海外生産は前年度比15.2%減の202万2227台で8年ぶりのマイナスだ。スズキの世界生産の半数以上を占めるインドは景気低迷やローンの貸し渋り、保険料の引き上げなどが重なり、同14.6%減の157万9519台と6年ぶりに減少した。国内生産は同6.6%減の94万4172台と4年ぶりのマイナス。「ワゴンR」や「スイフト」の販売減に加えて、完成検査問題の対策として工場のラインスピードを落としたことなどが減少につながった。
3月単月のグローバル生産は、前年同月比22.8%減の21万3159台と3カ月連続で減少した。国内生産は同1.3%増の9万1435台で11カ月ぶりにプラスへ転じた。国内販売は低迷したものの、欧州向けの輸出が増加した。一方、海外生産は同34.5%減の12万1724台と大幅減で、3カ月連続のマイナス。新型コロナウイルス感染症の影響による稼働停止が広がっており、インドでは同32.1%減となった。
三菱自動車の2019年度のグローバル生産台数は、前年度比7.2%減の133万7399台と3年ぶりに減少した。国内生産は同6.1%減の62万676台で3年ぶりの前年割れ。「エクリプスクロス」や「アウトランダー」の減少が響いた。海外生産も同8.2%減の71万6723台と3年ぶりのマイナス。主力のタイが同9.9%減と振るわなかったことに加えて、中国が同22.2%減と大きく落ち込んだ。
3月単月は、グローバル生産が前年同月比4.1%減の12万4234台と7カ月連続の減少。国内生産は同14.3%増の6万6307台と8カ月ぶりにプラスへ転じた。フルモデルチェンジした「eKスペース」シリーズなどが貢献した。一方、海外生産は同19.0%減の5万7927台と6カ月連続のマイナス。タイは同6.8%増と増加したものの、中国が新型コロナウイルス感染症の影響により前年同月比9割減の1600台となった。
一連の完成検査問題が一段落し、回復の兆しを見せているのがスバルだ。2019年度のグローバル生産台数は、前年度比4.2%増の103万912台と3年ぶりに前年実績を上回り、2年ぶりに100万台を超えた。国内生産は同7.6%増の66万3617台で3年ぶりのプラス。2019年1月に「インプレッサ」や「フォレスター」に採用した電動パワーステアリングの不具合で多くの車種の生産を停止した反動のほか、品質問題にめどをつけて2019年秋からラインスピードを高めたことも台数増につながった。ただ、海外生産は同1.3%減の36万7295台と6年ぶりに減少。新型「アウトバック/レガシィ」への切り替えなどにより台数が伸び悩んだ。
好調なスバルでも新型コロナウイルス感染症の影響が出始めている。3月単月はグローバル生産が前年同月比0.3%減の8万9476台と微減で、5カ月ぶりのマイナスとなった。このうち国内生産は同9.4%増の6万1888台と5カ月連続でプラスを確保した。一方、海外生産は同16.9%減の2万7588台と3カ月ぶりに前年割れとなった。米国工場を構えるインディアナ州が外出禁止令を発令しており、これを受けて操業を停止した影響が出ている。
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