ルネサス エレクトロニクスは、同社のArmマイコン「RAファミリ」にBluetooth 5.0 Low Energy対応の新製品「RA4W1」を追加した。Bluetooth 5.0に対応したセキュアなIoTエンドポイント機器の開発が容易になるとする。
ルネサス エレクトロニクスは2020年5月7日、同社のArmマイコン「RAファミリ」にBluetooth 5.0 Low Energy対応の新製品「RA4W1」を追加したと発表した。産業機器やビルオートメーション、スマートメーター、ヘルスケア機器、ウェアラブル端末、家電などの分野でBluetooth 5.0に対応したセキュアなIoT(モノのインターネット)エンドポイント機器の開発が容易になるとする。56ピンQFNパッケージを採用しており外形寸法は7mm角。1万個一括購入時の参考単価は3.98米ドル(税別)。
RA4W1は、動作周波数48MHzでArmの「Cortex-M4」コアを搭載する。512KBのフラッシュメモリと96KBのSRAM、USBとCANのインタフェース、静電容量式タッチキーの制御機能なども集積している。さらに、ルネサスのセキュア暗号エンジン(SCE)を搭載しているため、対称鍵方式の暗号化や複合化、ハッシュ機能、真性乱数生成器(TRNG)およびマイコン固有鍵のラッピングにも対応する。
Bluetooth 5.0機能については、2Mbpsのデータ転送速度、1650Bの最大アドバタイジング長、定期的アドバタイズメント、大量のトラフィックを必要とする用途向けの2つのチャネル選択アルゴリズムなど全てを組み込んだ。通信時の消費電流は、受信時3.3mA、送信時4.5mA(0dBm時)という優れたピーク電流を実現。受信感度についても、外部からの損失を受けることがない場合に125kbpsモードで-105dBmを達成している。
また、Bluetooth関連の開発環境では、Smart Configurator GUIによるBluetoothのコードとマイコンの周辺機能のドライバコードに加え、統合開発環境の「e2 Studio」向けのピン設定の生成が可能。Bluetooth用QEツールにより、カスタムプロファイル用のプログラムを生成し、ユーザーのアプリケーションプログラムに組み込むことで、アプリケーション開発を支援する。さらに、Bluetooth Trial Tool Suite GUIを使えば、初期の無線特性評価とBluetooth機能の確認を実行できる。デモアプリをスマートフォンにダウンロードすれば、約30分以内でRA4W1の評価ボードを使用できるようになるという。
他のRAファミリと同様に、リアルタイムOS「FreeRTOS」を用いたソフトウェアパッケージ「FSP(Flexible Software Package)」を活用すれば、Armエコシステムのパートナー企業のソフトウェアやハードウェアを組み合わせることで開発を容易に行える。
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