リアルタイムシミュレーションについては、ANSYSとの協業により実現した「Creo Simulation Live」をCreoに統合し、これまで熱、構造、固有値解析のリアルタイムシミュレーション機能を提供してきた。ベース技術となるANSYSの「Discovery Live」と同様に、ローカルコンピュータのGPUパワーを用いてシミュレーション結果を瞬時に得ることができるのが特長だ。Creoでモデリングした形状をシームレスかつリアルタイムにシミュレーションできることから、設計者CAEの実現に適している。Creo 7.0では、このCreo Simulation Liveに流体解析が加わった。
「Creo Simulation Liveはリリース以来、非常にポピュラーな機能として多くのユーザーに幅広く利用してもらっている。このリアルタイムシミュレーションに流体解析が追加され、さらに活用の幅が広がった」(トンプソン氏)とし、設計者が行うにはハードルが高かった流体解析を対話型UIで簡単に、リアルタイムで実行できる点をアピールした。
同社とANSYSとの協業は今後も続き、Creo 7.0.2をリリースするタイミング(2020年秋ごろ)では、さらにANSYSの高性能ソルバーをCreoに組み込んだ「Creo ANSYS Simulation Extension」の提供を予定しているという。
Creo 7.0では、マルチボディ設計に関する機能強化が図られている。部品デザインの管理、把握、編集がさらに容易になると同時に、多くの設計作業の効率化を支援する機能群を実装。マルチボディ設計においては、単一部品を構成する複数のジオメトリボリュームを、それぞれ個別のオブジェクトとして管理、可視化、設計することが可能となった。
「これにより、単一部品を複数のボディに分割し、それぞれ異なる種類の材料を適用したい場合や、単一部品で内部と外部で異なる設計アプローチが必要な場合などに、マルチボディ設計は有効だ」とトンプソン氏は説明する。
また、例えば単一部品のうち、ある部分にジェネレーティブデザインを適用したい場合などに、このマルチボディ設計を利用することで意図した設定が行えるようになる。
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