具体的には、Frustumのジェネレーティブデザイン技術をコアに、「Creo Generative Topology Optimization Extension」としてCreo 7.0に組み込んだ。Creoを動かしているコンピュータのCPU/GPUリソースを活用して処理が行われるが、デモンストレーションを見る限りでは短時間で最適形状を導き出す様子を確認できた。
Creoに完全統合されているため、ベースの3Dモデルの寸法などを変更すると、その変更に追従する形で自動的に再計算が行われて最適形状も変更される。また、ジェネレーティブデザインで導き出された形状をワンクリックでCADのジオメトリ(B-rep)に再構築でき、通常のモデリング環境内で1つのパーツとして扱ったり、アセンブリして解析(熱、構造、固有値など)を行ったりすることができる。
説明会では、ジェネレーティブデザイン機能を活用した先行事例として、NASA(米国航空宇宙局)向けの次世代宇宙服を設計するJacobs Engineeringの取り組みが紹介された他、日本国内でも半年以上前から先行評価が進められていることが明かされた。
トンプソン氏によれば、先行事例としてリリース以前に評価を進めていたFrustumのジェネレーティブデザインのエンジンを第1世代とするならば、Creo 7.0に組み込まれたエンジンはさらに改良が加えられた第2世代となり、現在はその次の第3世代のエンジンを開発している最中だという。
また、今後の展開として「Creo 7.0ではローカルコンピュータのリソースを活用し、1つの最適形状を導き出す方式だが、2020年秋ごろにリリース予定の『Creo 7.0.2』では、クラウドのコンピュータリソースを活用し、素早く、複数の最適形状案を提示してくれる『Creo Generative Design Extension』を提供予定だ」(トンプソン氏)とのアナウンスもあった。これにより、ユーザーはローカルでの利用だけでなく、クラウドのコンピュータリソースを活用したジェネレーティブデザインが可能となる。
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