自動車関連サプライヤーのマレリはGaNを使った次世代パワー半導体を開発するTransphormと電気自動車の新技術開発に向けた戦略的提携を結んだと発表した。
自動車部品サプライヤーのマレリは2020年3月4日、GaN(窒化ガリウム)を使った次世代パワー半導体を開発するTransphorm(トランスフォーム)と電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)などに搭載する電動システムの新技術開発に向けた戦略的提携を結んだと発表した。
提携により両社は、電動システムとして用いられるオンボード充電器やDC-DCコンバーター、パワートレイン、インバーター向けの電力変換技術の情報交換を行う。提携期間は2年間。
Transphormはシリコンパワー半導体と比較して小型かつ高出力なGaNパワー半導体を設計、製造する企業だ。世界で1000件以上と大規模なGaNパワー半導体のIPポートフォリオを保有する同社は、業界で初めてJEDECとAEC-Q101認定を受けたGaN電界効果トランジスタ(FET)の製造も手掛ける。
今回の提携について、マレリ 電動パワートレイン事業本部 CEOのヨアヒム・フェッツァー氏は「高効率の電力変換技術は、低コストかつ高性能な電動自動車を開発するのに欠かせない。この分野のリーダー企業であるTransphormと提携できて大変うれしく思う」とコメントを寄せている。
またTransphorm 共同創業者兼COOのプリミット・パリク氏は「マレリのようなグローバルリーダーとのパートナーシップは、当社が展開するGaNソリューションの品質と信頼性、製品全体のパフォーマンスを証明するものとなる。マレリの長期的、革新的なビジョンは、電動自動車におけるGaNの発展に大きな価値をもたらすだろう」とコメントした。
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