BMWは2020年3月3日、電気自動車(EV)のコンセプトモデル「Concept i4」を発表した。走行距離はWLTPモードで600kmの走行が可能だ。
BMWは2020年3月3日、電気自動車(EV)のコンセプトモデル「Concept i4」を発表した。満充電からの走行距離はWLTPモードで600kmを達成している。
デザインは量産に近いものとしており、2021年に「i4」としてドイツのミュンヘン工場で量産する。同工場ではエンジン車やプラグインハイブリッド車(PHEV)、EVを混流生産する計画だ。EVの生産でも既存の生産設備の9割は使用するが、バッテリー組み付けのための工程を同工場で新規に構築する。そのため、i4の生産に向けて2億ユーロ(約239億円)の投資を計画している。
i4に搭載するのは第5世代の「eDriveテクノロジー」で、電動ドライブは社内で開発、生産する。バッテリーセルの研究も社内で行う。また、モーターはレアアースフリーとした。Concept i4は最高速度が時速200kmで、時速0〜100kmの加速は約4.0秒だ。最大出力は537ps(約395kW)を発揮し、V8エンジンと並ぶ位置付けだという。バッテリーの容量は80kWh、バッテリーの重量が550kgだ。
Concept i4のデザインには、量産仕様のi4や他の電動モデルの内外装に採用する要素が取り入れられている。BMWのアイコンであるキドニーグリルは、冷却を必要とするエンジンがないため、さまざまなセンサーを収容した「インテリジェンスパネル」として機能する。
Concept i4のインテリアはドライバーが自分でクルマを運転する場面に焦点を当てた。コックピットのディスプレイは非反射ガラスを採用。ディスプレイのシュラウド(覆い)が不要になり、すっきりしたデザインが実現するという。メーターとセンタースタックをカーブディスプレイでまかなうことにより、運転席周辺をモダンな外観とする。操作系はディスプレイに統合されており、タッチコントロールで多くの機能が動作する。
Concept i4のユーザーインタフェースは3種類のエクスペリエンスモードに応じて変更され、2021年から導入する次世代オペレーティングシステムを予感させるものになっている。また、最新のエレクトロニクスデバイスの影響を受けて、意図的に自動車らしさを減らしたという。エクスペリエンスモードは「コア」「スポーツ」「効率」の3種類で、コアモードでは既存モデルに似せたデザインとなっているが、ユーザーが自由にディスプレイ上の表示レイアウトを変更できる。スポーツモードでは、次のカーブのきつさなど運転に必要な情報表示を増やし、予測運転を促す。効率モードでは、運転支援用センサーの情報や、周囲との通信などの表示を充実させる他、充電レベルや走行可能な範囲などのデータも示す。
BMWグループでは今後数年間で電動車の新モデルを複数投入する計画だ。2020年はSUVタイプのEV「iX3」の他、i4にも搭載する第5世代のeDriveテクノロジーを先行して投入する。PHEVは「X1」「X2」「3シリーズツーリング」を追加する計画だ。既に50万台の電動車が販売済みで、2020年末までにこの2倍となる100万台を販売する。2021年にはi4の他「iNEXT」を投入する。
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