アンシス・ジャパンは「ANSYS 2020 R1」に関する記者説明会を開催し、同社プラットフォーム新製品である「ANSYS Minerva」の概要の他、構造や流体といった各種シミュレーション関連製品のアップデート内容について紹介した。
アンシス・ジャパンは2020年2月5日、「ANSYS 2020 R1」に関する記者説明会を開催。同社プラットフォーム新製品である「ANSYS Minerva」の概要の他、構造や流体といった各種シミュレーション関連製品のアップデート内容について紹介した。
「当社の主力であるCAEツールは、引き続きビジネスの根幹となっているが、ここ数年は自動運転、EV(電気自動車)、5G、IIoT(インダストリアルIoT)といったメガトレンドへの投資も強化している。また最近は、単なるライセンスパッケージの提供からさらに一歩踏み出し、BMWやVolkswagenといったユーザー企業との共同プロジェクトへの取り組みも積極的に行っている」と、同社 カントリーマネジャーの大谷修造氏は、ここ数年のビジネス変化について語る。
ANSYS Minervaは、CAEや3D CADといったツールに対して、1プラットフォームからアクセスできるデータ管理ソリューションである。CAE専任者や設計者、管理者など、それぞれの役割に適したフロント画面(ダッシュボード)を用意できる。ダッシュボードやレポーティング機能では、グラフや図表、ステータス、タスクの表示といったさまざまなウィジェットが備わっている。
データマネジメント機能のメイン画面では、シミュレーションデータなどの管理が行える。Windowsのエクスプローラーのようにデータ探索が行え、ソーティングやドラッグ&ドロップ、コピー&ペーストなども可能だ。
他のツールベンダーが提供する3D CADやCAEとの高い相互運用性も確保されており、メタデータとして取り込んで、Minervaの中で軽量なデータとして閲覧したり、レポートを作成したりできる。
また、ユーザーが自社で標準化した設計プロセスをテンプレート化して、管理/共有することも可能だ。標準化については個人のタスクレベルまでサポートし、管理者は設計や解析のインプット/アウトプット情報について、抜けモレやミスがないかをチェックできる。
さらに、HPCと連携したバッチ処理/ジョブ実行が可能だ。「MAPDL」「AEDT」「Fluent」「Workbench」「Python」のデータなどに対応する。同社のCAE操作環境プラットフォームである「ANSYS Workbench」との密接な連携も実現。WorkbenchのWBPZファイルをMinervaの画面で分かりやすく管理できる。
ANSYSのSPDM(シミュレーションプロセスデータ管理)や各社のPLM環境との連携では、シミュレーション結果や設計データを関連付けした上での管理が行える。対応するPLMは、「Teamcenter」(シーメンス)、「Windchill」(PTC)、「ENOVIA V6」(ダッソー・システムズ)である。
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