スワニーと丸紅情報システムズは、3Dプリント樹脂型「デジタルモールド」の関連データを保管するサービスを開始した。従来の金型保管方式で課題だった場所の確保や、災害などの物理被害による破損、損失を回避できる。
スワニーと丸紅情報システムズ(MSYS)は2020年1月28日、3Dプリント樹脂型「デジタルモールド」の造形に必要な3Dファイルと、デジタルモールドで成形した部品の3Dスキャンデータを保管するサービスの提供開始を発表した。自動車業界をはじめとする製造業に、データアーカイブ式の型管理の手法を提案していく。
スワニーが開発したデジタルモールドは、3Dプリンタで造形した樹脂型を用いてABS、PS、POM、PPなどの量産材料で射出成形する技術だ。従来の金属金型と比較して約6分の1の時間とコストで部品を成形できる。
今回発表したデータアーカイブサービスは、デジタルモールドの3DCADおよびSTLデータと、デジタルモールドで成形された実際の部品の3Dスキャンデータをデータセンターで保管するサービスだ。データを保管することで樹脂型の物理保管が不要になり、必要になった時に3Dプリントして部品をタイムリーに生産できるようになる。
また、廃棄前の樹脂型から成形された部品の3D計測データと、新たに3Dプリントされた樹脂型から成形した部品のデータを比較することで、部品の形状精度を担保できる。成形された部品の3Dデータは、GOMの3Dスキャナー「ATOS」および、X線CTを用いた非破壊3D測定機「GOM CT」を用いて計測し、データ保管する。
データは高いセキュリティと万全のサービス体制を備える専用のサーバ、ストレージに保管され、定期的にバックアップされる磁気媒体はデータセンターとは異なる遠隔地で保管される。従来の金型保管方式で課題だった場所の確保や、災害などの物理被害による破損、損失を回避できる。
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