3つの断トツをデジタルで融合、ブリヂストンは「T&DPaaS」でコト売りに移行する製造業がサービス業となる日(1/2 ページ)

ブリヂストンが主力商材のタイヤを商品の売り切りではなくサービスとして提供していくためのビジネスプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS(Tire & Diversified Products as a Solution)」について説明。「ダントツの商品とサービス、拠点ネットワークをデジタル技術で融合し、ソリューションとして顧客に提供していく」という。

» 2020年02月03日 07時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
ブリヂストンの高城知行氏 ブリヂストンの高城知行氏

 ブリヂストンは2020年1月31日、東京都内で会見を開き、主力商材のタイヤを商品の売り切りではなくサービスとして提供していくためのビジネスプラットフォーム「Bridgestone T&DPaaS(Tire & Diversified Products as a Solution)」について説明した。「ダントツの商品とサービス、拠点ネットワークをデジタル技術で融合し、ソリューションとして顧客に提供していく」(同社執行役員 Bridgestone T&DPaaS企画担当の高城知行氏)という。

 同社は2019年1月に、オランダのTomTomからデジタルフリートソリューション事業を統括するTomTom Telematicsを9億1000万ユーロ(約1093億円)で買収(同年10月に社名をWebfleet Solutionsに変更)。同事業と、ブリヂストングループがこれまで培ってきたタイヤに関する知見やグローバルサービスネットワークを融合し、MaaS(Mobility as a Service)に関わる顧客やサービス事業者に向けて展開することを打ち出したのがT&DPaaSだ。

 高城氏は「自動車業界は100年に1度の大変革期を迎えており、モノ売りからコト売りへの移行が始まっている。タイヤはクルマの走りを支えてきたが、これからは進化するモビリティを支えていかなければならない。そこで、ブリヂストンが移動ソリューションのコントリビューターとなるためのソリューションプラットフォームがT&DPaaSである」と語る。

「移動ソリューションのコントリビューター」を目指す 100年に1度の大変革期の中で「タイヤの製造業」から「移動ソリューションのコントリビューター」を目指す(クリックで拡大) 出典:ブリヂストン

 T&DPaaSのコンセプトでは、世界トップシェアのタイヤをはじめとする「断トツの商品」、トラック向けタイヤで展開を拡大するリトレッドなどの「断トツのサービス」を、乗用車向けで9000、商用車向けで3500の拠点をグローバルに展開する「断トツのサービスネットワーク」とデジタルコネクティビティで融合し、ソリューションとして提供していくことを目指している。

「T&DPaaS」のコンセプト 「T&DPaaS」のコンセプト(クリックで拡大) 出典:ブリヂストン

 「断トツの商品」では、ランフラットタイヤや摩耗性能を維持しながら軽量化を果たした「Enliten」、EV(電気自動車)などに採用されている次世代低燃費タイヤ「Ologic」、走行しながらのワイヤレス給電を可能とするインホイールモーター用タイヤ、パンクしないタイヤ「エアフリーコンセプト」、ゴムと樹脂を融合した材料「SUSYM」などがある。「これら『断トツの商品』をベースに、リトレッドに代表される『断トツのサービス』を拡充させる。そして『断トツのサービスネットワーク』については、デジタルを活用する形で、タイヤを売る拠点からMaaSに対応したソリューションを提供する拠点に変えていくことになる」(高城氏)という。

ブリヂストンの「断トツの商品」 ブリヂストンの「断トツの商品」(クリックで拡大) 出典:ブリヂストン
「断トツのサービス」を代表するリトレッド「断トツのサービスネットワーク」 ブリヂストンの「断トツのサービス」を代表するリトレッド(左)と「断トツのサービスネットワーク」(右)(クリックで拡大) 出典:ブリヂストン
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