会見では、テレビへの音声入力を事例としたデモンストレーションを披露した。朝出掛けるときの「須藤英太をよろしく」という命令では、俳優の須藤英太が出演するテレビ番組を録画予約するが、帰宅後の夜の「須藤英太をよろしく」という命令では、録画した須藤英太が出演するテレビ番組を再生するという内容だ。


この知識グラフに対して、あるユーザー(その家庭の母親という設定)が「須藤英太をよろしく」という命令を行うと瞬時に知識グラフの絞り込みを行い(左)、須藤英太が出演しているテレビドラマ「峠の桜」を録画予約してくれる(中央)。一方、帰宅後の夜に「須藤英太をよろしく」と命令すると、録画した峠の桜を再生する(右)(クリックで拡大)また、候補が複数ある場合の絞り込みで0件になった場合に絞り込み条件の代替候補を示したり、ユーザーの好みから絞り込み条件を推薦したりする機能も披露した。
デモンストレーションで用いたテレビ機能の知識グラフの項目数は数千件になるが、テレビの実用的な機能として実装する場合には数万件になる見込み。「テレビという機器の特性上、基礎的なユーザーごとの学習は1週間で終えられるようにしたい」(三菱電機の説明員)という。
既に新技術の適用に向けた実証実験を進めているカーナビゲーションシステムの場合は、音声入力以外にも、ドライバーモニタリングシステムによる検知結果を入力情報として用いて休憩することを提案したりする、安全や安心に関わる機能も想定しているという。また、楠氏は「新技術はもちろんPCなどにも実装できるので、見積もり事例の検索や不具合対処方法の検索、設計データの検索といった業務系システムでも活用できるだろう」と述べている。
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