Lanxessは、3Dプリンティング用の高性能樹脂「LFプレポリマー」の提供を開始した。低粘度での設計が可能なため加工が容易でフットウェア部材に最適、かつ危険有害区分は低くユーザーを潜在的な暴露から保護する。
Lanxessは2019年12月18日、3Dプリンティング用樹脂に配合できる高性能樹脂「低遊離(LF)イソシアネートウレタンプレポリマー(LFプレポリマー)」の提供を開始した。既に、複数の3Dプリンティング企業と協業し、樹脂の製造を開始している。
LFプレポリマーは、「Adiprene(アディプレン)LF pPDI(パラフェニレンジイソシアネート)」プレポリマーを基にした高性能樹脂だ。加工が容易で、メーカーだけでなく、一般家庭、オフィス、小売りなど管理制御されていない環境下においても高い安全性を確保する。
3Dプリンティング技術の適用が加速するフットウェアの構造用部材は、柔らかいエラストマーと硬いエラストマーの両方が必要となる。LFプレポリマーを配合した樹脂は、クッション用の柔らかいエラストマーから構造上必要な部材までさまざまな硬度で印刷できる。
また、印刷された部材は、フットウェアにとって重要な優れた低温・高温耐性、強靭性、化学薬品と摩耗に対する耐性を備え、150℃で最大6週間の耐久性を持つ。さらに、フットウェアの部材としてより高い曲げ疲労耐性、−20℃までの低温曲げ性能のメリットを発揮する。
LFプレポリマーは、低粘度での設計を可能にすることで、加工を容易にし、生産性の向上に貢献する。LF技術によりインクの反応性を制御でき、3DプリンタがPUシステム(1K、2K、3K)をカスタマイズする柔軟性を提供。また、ゲル化時間の調整もでき、樹脂を硬化させることなく数日間安定に保ち、使用時に数秒で硬化を引き起こすことも可能だ。
残留イソシアネート量は0.1%未満で危険有害区分は低く、ユーザーを潜在的な暴露から保護する。
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