現在のOnRobotの製品ラインアップは、グリッパーの「RG2」「RG6」、指先に力触覚センサーを備えるグリッパー「RG2-FT」、大型吸着ハンドの「VG10」、旧OptoForceが手掛ける力覚/トルクセンサー、旧Perception RoboticsがNASA(米国航空宇宙局)と共同開発した真空を使わない吸着ハンド「Gekko」などがある。また、今後の事業展開で重要な役割を担うのが、ツール交換装置であるクイックチェンジャーだ。このクイックチェンジャーと薄型のスペーサーを用いることで、各社で仕様が異なるロボットへの取り付けに対応していく。
今回の会見では、新製品となる小型吸着ハンド「VGC10」を披露。ハンド本体内部に電動ポンプが組み込まれており、従来の吸着ハンドのように別途真空ポンプなどを用意する必要がない。有効荷重が最大15kgと大きいことも特徴の1つだ。
ロボット側との通信については、ほぼ全てのロボットメーカーに対応可能なデジタルインタフェースを用意している。さらに、先述の大手ロボットメーカーとの協業体制では「ロボットプログラミングの中でOnRobotの製品を簡単に呼び出して動作を設定できるような“深い統合”を実現する」(アイベルセン氏)という。
そして、現在のエンド・オブ・アームツーリングのラインアップは10製品にとどまるものの、1年後の2020年末までに30製品を投入し、総計40製品にまで拡充させる計画である。アイベルセン氏は「OnRobotは協働アプリケーションを実現する際に、何でもそろっているスーパーマーケットになる。そして、協働ロボットだけでなく、従来の産業用ロボットでも利用してもらえるようにする」と強調する。
OnRobotはパートナー(販社)を通じてのみ製品を販売しており、新体制発足時のパートナー数は146社だった。しかし、2019年末の現在は400社にまで増えており、2020年末にはさらに倍増の800社を目指すとしている。
日本法人のOnRobot Japanも2019年5月に設立しており、マニュアルやカタログの日本語対応も完了している。カントリーマネジャーの鈴木孝氏は「日本法人設立時の国内パートナーは5社だったが、半年後の現在は8社になった。これまでは、ユニバーサルロボット向けグリッパーのイメージが強かったが、新たに加わったパートナーは他メーカーのロボットを手掛けており、今後もそういった形でパートナーを拡充していくことになるだろう」と述べている。
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