三菱電機は協働ロボット市場への参入は後発となる。今回のスマート工場デモによって、顧客に対してどのようなメッセージを発信しようとしているのだろうか。三菱電機 名古屋製作所 ロボット製造部長の武原純二氏は「人手不足が深刻化する中で、人とロボットの協働に対するニーズは極めて強い。だからこそ当社もMELFA ASSISTAを開発しており、さまざまなロボットハンドやビジョンセンサーなどがつながるような環境も整えている。ロボットプログラミングも、ダイレクトティーチングだけでなく、分かりやすいビジュアルプログラミングで行えるようにした」と語る。
その一方で、スマート工場デモでは協働ロボットではないMELFA FRシリーズも使用していた。「協働ロボットは安全性を確保するために、通常の産業用ロボットに比べてスピードが5分の1〜10分の1と遅く、短いタクトタイムが求められる工程には不向きだ。そこで今回のデモでは、Realtime Roboticsの3次元空間認識技術により、そういった工程でも人とロボットの協働が可能になる提案を行った」(武原氏)という。なお、同技術は2020年以降に顧客のPoC(概念実証)に向けて提供を始める予定である。
なお、MELFA ASSISTAのラインアップについては「可搬重量は10k〜20kgのニーズが強い」(武原氏)としており、当初は一桁kg台よりも重い重量に対応する製品を投入する可能性が高い。
武原氏は「当社が得意とする中小型の産業用ロボットと協働ロボットの市場は重なるところが大きい。速い産業用ロボット、遅い協働ロボット、そしてその間のソリューションもラインアップすることで、人とロボットの協働という需要をしっかり捉えていきたい」としている。
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