複合加工機と組み合わせる次世代ロボットシステム、自動化システム構築を容易に:FAニュース
オークマは、次世代ロボットシステム「ARMROID」「STANDROID」の機能向上や他機種への展開について発表した。複合加工機との融合でワークの可搬重量や寸法が拡大し、周辺装置の機能拡張により、さらに自動化システムを構築しやすくなった。
オークマは2019年11月15日、次世代ロボットシステム「ARMROID」「STANDROID」の機能向上や他機種への展開について発表した。
ARMROIDと複合加工機「MULTUS B250 II」を融合した「MULTUS B250 II ARMROID」は、ワーク可搬重量が10kgと従来機比の2倍になった。最大ワーク寸法はφ80×L480mmで、従来機よりも25%拡大している。約5時間自動で連続稼働が可能なワークストッカに対応し、φ150mm、厚み30mmのワークを50個ストックできる。フランジ形状ワークにも対応可能だ。
STANDROIDは、各種立形マシニングセンタへの展開が進められた。立形マシニングセンタの「MB-56V」「GENOS M460-VE」「GENOS M560-V」に加え、旋削機能付きを含む同時5軸制御立形マシニングセンタ「MU-4000V」「MU-4000V-L」にも対応している。
また、周辺装置の機能拡張により、表裏2工程の自動化に対応するワーク反転など、ユーザーの用途に合わせた自動化システムを構築しやすくなった。
ロボット操作ツール「ROID Navi」は、工作機械と同じ感覚で使用できるため、周辺装置を組み合わせることで、ロボット動作が複雑になっても導入当日から容易に操作できる。同ツールは、専用のスキルがなくてもロボットプログラムを簡単に作成でき、急なワーク変更が生じても、すぐに自動連続運転のシステムを立ち上げられる。
複合加工機「MULTUS B250 II ARMROID」(クリックで拡大) 出典:オークマ
立形マシニングセンタ「GENOS M560-V STANDROID」(クリックで拡大) 出典:オークマ
同時5軸制御立形マシニングセンタ「MU-4000V-L STANDROID」(クリックで拡大) 出典:オークマ
- 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。
- 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。
- アップルVSサムスン訴訟を終わらせた日本の工作機械の力
知財専門家がアップルとサムスン電子のスマートフォンに関する知財訴訟の内容を振り返り「争う根幹に何があったのか」を探る本連載。最終回となる今回は、最終的な訴訟取り下げの遠因となった「新興国への技術移転」の問題と「なぜ米国で訴訟取り下げを行わなかったのか」という点について解説します。
- 好況に沸く工作機械メーカーは盤石か!? 課題は営業力にあり
企業再生請負人が製造業の各産業について、業界構造的な問題点と今後の指針を解説する本連載。今回はリーマンショック前の勢いを取り戻しつつある日系工作機械メーカーの動向と課題について取り上げる。
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。
- 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.