矢崎総業は、「第46回東京モーターショー2019」に出展し、CASEやMaaSといった新たなモビリティ社会で同社の電源技術や通信技術をどのように活用できるかをイメージした車両モックアップを披露した。
矢崎総業は、「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)に出展し、CASEやMaaSといった新たなモビリティ社会で同社の電源技術や通信技術をどのように活用できるかをイメージした車両モックアップを披露した。
ワイヤハーネスで世界シェアトップの同社は、電気自動車に必要な高電圧電源分配システムや、ECU間や車載情報機器に関わる通信技術を融合したEEDDS(Electrical/Electronic Distribution & Display System)というコンセプトを提案している。
今回披露した車両モックアップは、2025〜2030年ごろに登場するであろうさまざまなモビリティサービスに活用される無人運転が可能なレベル4の自動運転車において、EEDDSをどのように活用できるかを示す内容となっている。車両下部のEV(電気自動車)プラットフォームに、レベル4の自動運転や電力供給に関わる機能がEEDDSにより全て集約されており、このプラットフォーム上にさまざまなモビリティサービスに対応するキャビン(客室)を搭載するイメージだ。
EVプラットフォームは、電動システムやバッテリー、自動運転用のセンサー、各種ECUなどをさまざまなワイヤハーネスでつないだ実展示で紹介。一方、キャビンについては、ピザ屋、オフィス、美容室、歯医者などさまざまな機能を搭載できること示すためにディスプレイ画面でイメージ表示していた。
例えば、ピザ屋の場合、ピザ焼き用の電気釜を動作させるためにAC200V/3000Wの電力を供給している。また、歯医者の場合は、AC100Vで数百Wクラスの電力が必要な各種治療器具を搭載できるとしている。「EVプラットフォーム側には、ECUなどに用いるDC12Vや電動システム向けの高出力を供給するが、キャビン側は一般的な家庭やオフィスで用いる機器が多いのでAC100Vや200Vを供給する必要がある。そのために用意したのが『キャビン接続コネクター』だ」(矢崎総業の説明員)。
また、通信技術についても現在のCANから車載イーサネットに移行することを想定している。「メタル線であれば1Gbpsクラス、光ファイバーを使えば10Gbpsクラスの車載イーサネット通信が可能になる」(同説明員)としている。
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