デロイトトーマツグループは「転換期を迎えた自動車産業の注目すべき3つの論点」をテーマとし、メディアセミナーを開催。本稿では同セミナーの中から、「CASE」についての消費者意識調査の内容を3回に分けて掲載する。第3回は「コネクテッド」と「モビリティサービス」についての消費者意識の変化について紹介する。
デロイトトーマツグループは2019年10月2日、「転換期を迎えた自動車産業の注目すべき3つの論点」をテーマとし、メディアセミナーを開催。本稿では同セミナーの中から、「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアード、電動化)」についての消費者意識調査の内容を3回に分けて掲載する。
デロイトトーマツグループでは継続的に次世代自動車(CASE)についての消費者意識調査を実施している。2019年の調査はインターネットを通じて2019年8月14〜15日に実施し、2075サンプル(男性79%、女性21%)を集めた。調査は、大きく分けると、「CASE」の「E」である「電気自動車」と「A」である「自動運転」、そして「C」と「S」である「コネクテッド」と「モビリティサービス」の3つに分かれて行われた。本稿では、主に「コネクテッド」と「モビリティサービス」についての意識調査結果を紹介する。
≫「電気自動車(E)」についての記事
≫「自動運転(A)」についての記事
コネクテッドサービスへの加入状況を聞いた「テレマティクスを利用したい(している)か」という質問に対し「既に有料で利用している」とした回答者は5%となった。無料で利用している回答者を含めると13%が実際にクルマにおいてコネクテッドサービスを利用していることになる。ただ「今は利用しておらず、今後も有料では利用したくない」とした回答者が39%と最も多い比率を占めており、有料でのサービス利用への抵抗感はまだまだ強いといえる。
コネクテッドサービスへの支払い意欲を聞いた「総額で月額いくらまでならコネクテッドサービスにお金を支払うか」という質問に対しては「月額1000円以下」までが80%を占めた。「月額3000円以下」までに97%の回答者が含まれ、「月額3000円以上でも払う」とした層は3%だった。ただ「1000円以下」の中身を見た場合も「有料では利用しない」とした層が46%と最大層であり、自動車と有料サービスを組み合わせて使うということにまだまだ抵抗感があるということが見て取れる。
コネクテッドサービス自体への支払い意欲はまだまだ低いものの、その中でも支払い意欲が高い領域にはどういうものがあるのだろうか。
最も高かったのは「車両盗難時のGPSによる車両追跡サービス」で「有料でも使う」とした回答者の比率が全項目の中で唯一50%を超えた。次いで「ドア閉じ込み、施錠忘れ時の遠隔操作による開錠、施錠」が48%となっている。「故障やガス欠による走行困難時のオぺレーターによる修理、移動手段手配」「事故発生を感知し自動で緊急車両を手配」「道路の混雑状況をリアルタイムで把握し最短時間ルートを検索」が45%となっている。
全体的な傾向として緊急時の対応などの「安全」や「安心」にかかわる領域が比較的高いという傾向が出ていた。逆に情報や音楽などを提供する「インフォテインメント領域」は支払いよくは低いという結果となった。
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