ANSYSは、「ANSYS 2019 R3」の一部として「ANSYS Autonomy」を発表した。自動運転や制御ソフトウェアの開発、機能安全分析、シミュレーションにより、より安全な自動運転車の開発を支援する。
ANSYS(アンシス)は2019年9月10日、「ANSYS 2019 R3」の一部として「ANSYS Autonomy」を発表した。自動運転や制御ソフトウェアの開発、機能安全分析、センサー、カメラ、ライダー、レーダーのシミュレーションにより、より安全な自動運転車(AV)の開発を支援する。
ANSYS 2019 R3は、センサーからバーチャルな環境、AI(人工知能)まで、安全な開発を加速し、道路や空中にAVを展開する機能を提供する。「ANSYS SCADE」ファミリープロダクトを拡張し、「ANSYS SCADE Vision」を追加。自動運転システムでAIベースの認識ソフトウェアシステムを評価でき、物体検出の不具合低減を図れる。
モデルベース開発環境の「ANSYS SCADE Suite」は、先進的な自動車システムの開発、AVシステムを制御する組み込みソフトウェアの開発に求められる機能を強化している。ANSYS 2019 R3は、SCADEのAUTOSARサポートを改良し、ISO 26262認証に適合したコード生成とソフトウェアコンポーネント設計に対応する。
さらに、ANSYS 2019 R3では、シミュレーションソフトウェアの「SCANeR」を採用した「VRXPERIENCE Driving Simulator」「ANSYS VRXPERIENCE HMI」「ANSYS SPEOS」「ANSYS HFSS SBR+」といったツールの機能を強化している。
また、ANSYS VRXPERIENCEのアップデートにより、SPEOS Live Previewの利用にも対応。ANSYS VRXPERIENCE HMIを使用することで、組み込みソフトウェアをVR(仮想現実)内のソフトウェアインザループモデルとして実行し、対話的操作ができる。
ANSYS SPEOSは、ANSYS Multiphysicsプラットフォーム上の光学シミュレーション機能を拡張。また、GPUによるスピードアップを利用してSPEOS Live Previewは迅速な設計反復ができ、最適化設計を進め、ロバスト性を強化する。
ANSYS 2019 R3の電磁界ソフトウェアパッケージには、AVのエンジニアリング課題に取り組むための新機能を追加。ANSYS HFSS SBR+には、大きな曲線形状ターゲットのレーダー断面積をより正確に予測するためのクリーピング波物理機能を実装した。
ANSYS Autonomy以外にも、ANSYSプロダクトポートフォリオの機能を拡張。マルチボディーダイナミクスソフトウェアの「ANSYS Motion」を「ANSYS Mechanical」に統合し、「Sherlock Automated Design Analysis Software」と新しい連成場解析システムが加わり、機能を向上している。
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