ANSYSとAVSimulationは、戦略的パートナーシップを締結した。両社のシミュレーション技術を統合することにより、次世代自動運転車をより早く安全に、低コストで設計できるようになる。
ANSYSは2019年6月25日、次世代自動運転車の開発を支援するため、AVSimulationと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。ANSYSの没入型自動運転シミュレーションソリューションとAVSimulationのシミュレーション技術が統合され、次世代自動運転車をより早く安全に、低コストで設計できるようになる。
自動運転車の試作試験では、厳しい安全基準を満たすために、環境や交通量、天候など多くの要素を含めた何百万ものシナリオや、何十億マイルに及ぶ徹底的な実走行試験など、膨大な開発期間とコストが必要となる。
ANSYSの没入型ソリューション「VRXPERIENCE」は、仮想空間で試験走行が実施できるため、試験時間を大幅に削減する。HMI(ヒューマンマシンインタフェース)試験、レーダー、LiDAR(Light Detection and Ranging)、カメラ、超音波などの物理的センサーシミュレーション、組み込みソフトウェア制御の統合、ヘッドランプシミュレーション機能などを備えており、シミュレーションデータの管理とシステムの安全性解析機能がリンクしている。
このVRXPERIENCEを、自動車および輸送シミュレーション専用の包括的なソフトウェアスイートであるAVSimulationの「SCANeR Studio」に組み込むことで、両社は現実に近い仮想空間を創出する、オープンでスケーラブルなモジュール型シミュレーションソリューションを提供可能になる。
これにより、Microsoft Azureをはじめとするハイパーフォーマンスクラスタやパブリッククラウド上で、多くの変数を持つ何千もの運転シナリオをシミュレーションできるようになり、次世代自動運転車の開発加速に貢献する。
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