品質不正は予防策が当然大切ですが、早期に発見して対応を図ることも必要になります。「発見」の代表的な担い手として、内部監査部門がその役割を果たすことが期待されます。本稿では、有効な品質監査を講じるために必要な方法論を解説します。
品質不正は発生そのものを抑える予防策が当然大切ですが、それによって完全に予防することはできないため、早期に発見して対応を図る必要があります。
「発見」の代表的な担い手として、内部監査部門がその役割を果たすことが期待されます。一方で、その構成員の多くは管理部門出身者であることから、品質に関連したテーマはリスクの有無に関わらず内部監査の対象から外されるケースが多く見受けられました。品質をテーマとした内部監査(以下、「品質監査」という)が実施できない大きな理由には、こうした人員構成面の問題があると考えられます。
また、有効な監査を計画し実行するためには、適切なリスク評価を行うことが求められます。これは人員構成面での不安がある場合にはなおさら重要となります。リスクとその発生要因を整理した上で、それぞれの発生要因に対する対応状況を評価するといった観点で内部監査を計画し実行する、といったアプローチが有効です。
1. 他部署の人材をスカウトし、部員として受け入れる
まず、内部監査部門として、製造部門、品質保証部門などから品質管理の知見やノウハウを持つ者をスカウトし、部員として受け入れることが考えられます。なお、外部に同様の人材を求めるといった方法もありますが、理想とする人材を監査要員として採用することは簡単ではないと想定されます。
2. 他部署から一時的な派遣を受ける
品質監査の実施にあわせて、製造部門、品質保証部門などから、一時的に品質管理の知見やノウハウを持つ者の派遣を受けることも一つの方法です。また、内部監査部門が監査を主導するのではなく、各工場から指名された監査人がある一定期間、相互に他の工場を監査すること(ピアレビュー)も考えられますが、紙面の都合上詳細は割愛します。
品質リスク対応業務を提供するコンサルティングファームなどから支援を受けることもできます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.