クロスコンパスは、製造業向けのAI生成ツール「MANUFACIA(マニュファシア)」を発表した。2019年6月21日から、定額制で利用できるサービスとして一般顧客への提供を始める。
クロスコンパスは2019年6月18日、製造業向けのAI(人工知能)生成ツール「MANUFACIA(マニュファシア)」を発表した。同年6月21日から、定額制で利用できるサービスとして一般顧客への提供を始める。2018年12月からスタートしたAI性能デモ評価サービス「AI Factory」を用いた、MANUFACIAの無償トライアルも開始する予定だ。
MANUFACIAは、専門家でなくてもAIの生成を容易に行えることを最大の特徴としている。AI生成フローの一例として、あらかじめ時系列、振動、画像などのデータを用意しておけば、AIのタイプ選択、学習データ設定、前処理設定などのプロセスを5分程度で完了でき、その後生成するAIの数を決めれば、数分〜一晩でAIの生成が完了する。そして、生成したAIを評価して、使用するものを選択もしくは学習のリトライなどを決定するのには5〜10分程度で済む。これらの一連のプロセスが、従来のAI技術よりも容易というわけだ。
簡単にAI生成を行える理由としては、クロスコンパス側で実証済みのAIアルゴリズムが多数格納されていることを挙げる。「ゼロからのスクラッチ開発であればAI開発時間に数カ月前後かかるのが現状だが、MANUFACIAであれば数分〜数時間でAIの生成が可能」(クロスコンパス)だという。
定額制サービスなので、好きなだけAI作成にトライできることもメリットになる。「工場内ではラインごとや製品別にAIが求められるが、従来はそれら全てを開発するためのコストがハードルになっていた。定額制サービスのMANUFACIAであれば、好きなだけAIを生成できる」(同社)。また、ユーザーが使用している製造現場の装置に組み込むためのサンプルソフトウェアも提供し、実装までをサポートする。
UIデザインは、ユーザーフレンドリーなアプリケーションの開発で定評のあるカヤックが担当した。「直感的で画面の中だけで完結できる操作画面を実現し、AIへの難解なイメージを払拭できる」(クロスコンパス)としている。
財務省の調査によると、国内企業で「AIを活用済み」と回答した企業が11%にとどまるなどAI活用率は低く、「IT技術者の人材不足」「費用対効果」といった理由で導入を断念する企業も多い。AI開発を外注した場合に、コストと納期がかかり過ぎることも導入断念の一因になっている。クロスコンパスは、この現状を解決する「専門家がいなくてもAIを生成でき、さらに定額制で作れば作るほどAI単体の開発コストが下がるツール」としてMANUFACIAを開発したという。
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