東京都市大学は、スマートフォンなどのモバイル機器に内蔵可能な小型画像用ASICを、短時間で自動設計するソフトウェアを開発した。従来と同量の情報を半分の面積に収めるとともに、書き換え時間を1000分の1に短縮した。
東京都市大学は2019年5月15日、スマートフォンなどのモバイル機器に内蔵可能な小型画像用ASIC(特定用途向け集積回路)を、短時間で自動設計するソフトウェアを開発したと発表した。従来と同量の情報を半分の面積に収めるとともに、書き換え時間を1000分の1に短縮した。1年以内の実用化を目指す。同大学工学部 講師の瀬戸謙修氏らの研究チームによる成果だ。
ASICとは、特定用途のために設計・製造されるICチップだ。主に、スマートフォンなどのモバイル機器に内蔵されるが、モデルチェンジごとにASICのソースコードを書き換える必要があり、熟練技術者でも数日を要することがある。
今回、ソースコードの書き換え表を作成し、書き換え作業の自動化に成功。作業時間を数秒という従来の1000分の1にまで短縮した。また、記憶装置内部の素子を集約するプログラムを開発し、0.4mm2の従来サイズと同量の情報を半分の0.2mm2サイズの記憶装置に収められるようにした。
小型画像用ASICの自動設計化により、市場で頻繁に繰り返されるスマートフォンなどのモデルチェンジにも迅速に対応できるようになる。今後は、実用化に向けてソフトウェア検証をする予定だ。
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