この基準の順位について、さらに説明を続けます。
では、前述の定盤をイメージしてください。定盤の表面、つまり実用データム形体が最初の基準となり、第1次実用データム形体となります。この第1次実用データム形体に直交し、2番目の基準になる第2次実用データム形体を図10のように設定した場合、定盤に置かれた「直角ブロック」のような面が、第2次実用データム形体となります。ただ、この状態では、第1次実用データム形体と第2次実用データム形体に並進する方向には、自由度は残ったままです。
さらに、この第1次実用データム形体と第2次実用データム形体に直交する、3番目の基準となる第3次データム形体を設定します。定盤上にさらに直角ブロックを置いたような状態です。これが第3次実用データム形体となり、この3つの面に接触した形体の自由度はなくなります(図11)。
設計者の頭の中には、姿勢を決めるこのようなイメージがあるはずです。
データムを決め、姿勢を決めることは、つまり「形体に対しての“曖昧さ”を残さないために、幾何公差を設定する際の基準を設定していること」に他なりません。 (次回に続く)
 幾何公差の基準「データム」を理解しよう
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