カシオ計算機は、1台で患部の接写と通常撮影が可能な皮膚科医向けのダーモカメラ「DZ-D100」と、撮影した画像を管理できるPC用ソフト「D'z IMAGE Viewer」を発表した。
カシオ計算機は2019年4月25日、1台で患部の接写と通常撮影が可能なダーモカメラ「DZ-D100」を発表した。同年5月27日から同社のWebサイトで発売する。価格は19万9000円(税別)。同時に、撮影した画像を管理するPC用ソフト「D'z IMAGE Viewer(ディーズイメージビュワー)」の提供も始める。
DZ-D100は、千葉大学と共同で開発した皮膚科医向けのカメラだ。これまで、病変の色や構造を確認するための接写と患部周辺を含めた全体撮影には、レンズ交換や2台のカメラを使い分ける必要があった。同カメラは、モードを切り替えるだけで、1台で接写と通常撮影ができる。
また、皮膚内部の色・構造の確認に必要な偏光撮影、皮膚表面の病変部を記録する非偏光撮影、偏光では浮き出てこない隠れたシミやぼやけたほくろなどの辺縁部がはっきり写るUV撮影(波長405nmの安全な光を使用)が、ワンシャッターでできる。手間がかからず、それぞれの画像が同一画角で撮影できるため、比較検証に役立つ。
撮像素子からレンズまでトータルで設計されており、ゆがみを抑えた正確な撮影が可能だ。接写撮影時に照射されるLEDライトは投光のムラが少なく、画面の中心から端まで均一な画質を確保できる。通常撮影時には、LEDリングライトを用いて点灯状態でカメラを構えられるため、液晶画面で見たままの画像が残せる。
サイズは127.5×76.0×86.1mmと小型で、片手で持つことを想定した持ちやすい形状を採用している。レンズを外付けする従来タイプは総重量が1kgを超えることも多いが、DZ-D100は約398gと軽量で、手ブレを起こさずに撮影できる(電池、メモリカードを含む)。
DZ-D100の有効画素数は2016万画素、撮像素子は1/2.3型CMOS(裏面照射型)。16GBの外部メモリに、静止画約1860枚、動画は約1時間50分記録できる。
同カメラと、信州大学と共同開発したD'z IMAGE Viewerを無線LANで連携させれば、撮影した画像をPCに自動転送できる。IDを入力して撮影すると、画像が自動的にIDごとに振り分けられるため、フォルダ分けの手間を省く。D'z IMAGE Viewerは、接写した画像上へのスケール表示機能やメジャー機能を備えており、病変部の大きさを簡単に測定できる。
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