技術者の転職市場を毎月レポートする「MONOist×JOBS 転職市場動向」。2018年度のエンジニア採用市場は前年に引き続き中途採用が活発でした。今回は、2019年度のエンジニア採用動向を予想します。
本記事は技術者のための転職サイト
「E&M JOBS」からの転載です。
最新のE&M JOBSのデータによると、製造業全体の求人件数は前月から3%増加しました。求人件数が増えたのは、「自動車・自動車部品・輸送用機器」で前月と比べて8%アップ。「工作機械・製造装置・半導体製造装置」と「精密機器・測定機器」は横ばいで、「家電・AV機器・通信機器・OA機器」(1%減)、「重電・重工業・プラント」(4%減)、「半導体・電子部品」(1%減)は減少しました。
2018年度は、前年度に続いてエンジニアの中途採用が活発に行われた1年でした。なかでも採用が強化されたのは、組み込み・ソフトウェアエンジニアと生産技術。製品・工場のIoT化や生産の省力化推進を背景に、IoTのシステム開発や自動化設備の導入などに携わる求人が増加しました。組み込みエンジニアは実務経験の浅い方が採用される事例も多く、学生時代に情報工学を学んでいれば挑戦しやすい状況でした。
2019年度も、製造業全体の求人件数はゆるやかな増加が予想されています。ただし、採用は経験者が中心となっていく見通し。今まで以上に「募集している仕事内容とこれまでの経験がマッチするか」が重要となるでしょう。
今年度引き合いが強くなりそうなのは、AI関連の職種です。要素技術の開発やビッグデータの解析ができるエンジニアはさまざまな企業で求められており、業種を問わず引っ張りだこの状態。PythonやRを用いた機械学習や統計解析などの経験がある方のニーズが高まっています。
経験者採用が中心になると見込まれてはいますが、職種の経験があれば製品や業界が変わってもスキルを生かせる事例は多数。視野を広げて求人をチェックしてみると、思わぬ転職先が見つかる可能性もあるでしょう。
長嶋一樹
技術職専門のコンサルタント。自動車業界や半導体業界の転職支援に豊富な実績があり、異業界からの転職サポートも得意としている。担当企業の訪問を月に2〜6回行っており、情報収集に注力。転職希望者への情報提供に強みを持っている。一児の父。好きなお菓子はアルフォート。
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