技術者の転職市場を毎月レポートする「MONOist×JOBS 転職市場動向」。今回は、これまでの活況から変化が見られる半導体業界の採用動向についてお話しします。
本記事は技術者のための転職サイト
「E&M JOBS」からの転載です。
最新のE&M JOBSのデータによると、製造業全体の求人件数は前月から横ばいでした。
求人件数が増えた業種は、「自動車・自動車部品・輸送用機器」(1%増)と「工作機械・製造機械・半導体製造装置」(2%増)の2つ。「家電・AV機器・通信機器・OA機器」(1%減)、「重電・重工業・プラント」(1%減)、「精密機器・測定機器」(2%減)は減少しました。
今月は、半導体業界の採用動向についてお話しします。
米中貿易摩擦の拡大を受け、さまざまな業界で先行きが見えない状態となっています。この影響は、好景気が続いていた半導体業界にも波及。世界半導体市場統計によると、2019年の半導体市場は過去最高の4901億米ドル(前年比2.6%増)となる見通しですが、前年から15.9%伸びた2018年と比べると成長は鈍化。市場の3割以上を占めるメモリは、2019年に前年比0.3%減の1645億米ドルとなる予想です。
こうした市場の変化で、これまで活発に行われていた中途採用にも陰りが見えてきました。業界全体の採用人数は減ってきており、業界・職種未経験者歓迎の「ポテンシャル採用」は縮小傾向に。経験者を中心とした採用に切り替わってきています。
とはいえ、まだまだ半導体の経験がある転職希望者は少ないため、職種の経験があれば業界未経験でチャレンジできる求人も多数。特に、化学メーカーや電子部品メーカーで働いていたエンジニアのニーズが高まっています。
2019年度は、半導体業界でも不安定な状況が続く見込み。どんなポジションでどのくらいの募集が出てくるのかは分からないのが現状です。このような中だからこそ、焦って転職先を決めてしまうのは禁物。長期的な目線で情報収集を進めていくのが大切です。さまざまな求人をチェックすることで、希望に合う求人と巡り合える可能性が高まるでしょう。
長嶋一樹
技術職専門のコンサルタント。自動車業界や半導体業界の転職支援に豊富な実績があり、異業界からの転職サポートも得意としている。担当企業の訪問を月に2〜6回行っており、情報収集に注力。転職希望者への情報提供に強みを持っている。一児の父。好きなお菓子はアルフォート。
E&M JOBS(イーエム・ジョブズ)
電気・電子系(Electronics)と機械系(Mechanics)技術者のための転職サイトです。技術者のキャリアに詳しいコンサルタントが一人一人の要望を詳しくヒアリングし理想の転職をかなえます。サービスは全て無料です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.