インタビュー
» 2019年04月25日 06時30分 公開

ソフト開発未経験でもカッコいいアプリを――IoTへの挑戦を支援するベンチャー組み込み開発 インタビュー(2/2 ページ)

[松本貴志,MONOist]
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優れたデザインのIoTアプリを低コスト、簡単に作れることが強み

 実際にconect+を利用する製造業のユーザーからも、速く簡単なアプリ開発が可能なこと、デザインが美しいことが評価されている。坂井氏は「サービス展開の当初は製造業を意識していなかったが、現在はアプリ開発に悩みを持っている製造業系企業から多くの問い合わせが来ている。われわれがアプリ開発をサポートすることで、モノづくりの人はモノづくりに集中できる」と語る。

 現時点では450ユーザーが登録しており、法人ユーザーではITや製造業企業のIoT開発担当者が中心となっている。また、マクニカやオムロン、SEMITEC、Kisvin Scienceといった製造業企業やベンチャー企業と協業関係を構築し、「今後もグローバルIoTプラットフォーマーとのチャンネルを作る」(坂井氏)とエコシステムを拡大する方針を示す。

ユーザーの評価(クリックで拡大) 出典:conect.plus

 また、坂井氏は2019年5〜6月をめどにサービスの大幅刷新を行う方針を明かした。現在提供するconect+は「conect+ Lite」とサービス名称を改め、無償で提供する。坂井氏は、conect+ Liteについて「デバイスをつなげ放題にするなど、どうやっても使い切れないだろうというくらいの制約で無償提供したい」との考えを示している。

conect+ Liteとconect+ Studioの位置づけ(クリックで拡大) 出典:conect.plus

 企業ユーザー向けには、IoTで収集したデータの可視化に特化した「conect+ Studio」を提供する。同サービスはさまざまなIoTプラットフォームやシステムとの連携機能を備えるとともに、ルールエンジンによる特定条件のアラート機能など、現在のconect+よりも高度なデータ可視化機能を実装する。conect.plusは同サービスでマネタイズを行う方針だ。

conect+ Studioの利用画面イメージ(クリックで拡大) 出典:conect.plus

 一方で今後登場するconect+ Studioを含め、conect+の製品群は既存のIoT開発ツールと競合する点があるようにも思われる。PTCが提供するIoTプラットフォーム「ThingWorx」にはドラッグ&ドロップでWebアプリケーションを構築できる「Mashup Builder」が備えられており、主要なIoTプラットフォームにも同様の機能を持つツールが多く存在する。また、Node-REDなどコーディングの手間を減らすフローベースプログラミング環境もIoT開発の現場では多く利用されている。

conect.plusの坂井洋平氏

 市場で先行する競合について、坂井氏は「非常に高度な機能が実装されているものもある」との見方を示しつつも、「これらツールは導入や運用コストが高く、さらにスモールスタートなIoTプロジェクトでは使いこなすことに高いハードルがある」と指摘。企業が進めるIoT開発も「PoCで出来上がるアプリは手作業で開発した極端にチープなものか、これらツールに頼って極端にお金をかけたものかのどっちかになりがちだ」と分析する。

 conect+は「こうしたIoT開発のギャップを埋めるもの」として、「データのビジュアライゼーションに特化し、優れたデザインのアプリを低コストかつ容易に開発できる」ことを訴求すると坂井氏は語る。

優れたデザインを簡単に使えることがconect+の強みとなる(クリックで拡大) 出典:conect.plus

 conect.plusは2023年度にエンドユーザーを10万人規模、売り上げを50億円とする目標を掲げる。坂井氏は「日本製造業がグローバル展開を目指す上で、IoTプロジェクトの迅速な展開を支援したい」と語った。

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